2019 Fiscal Year Annual Research Report
The influences of spiritualism on the theory and creation of Surrealist art
Project/Area Number |
16K02552
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
長谷川 晶子 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (20633291)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シュルレアリスム / 心霊主義 / オートマティスム / アール・ブリュット |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は主に以下の研究を行った。
1.シュルレアリスムの霊媒実験の中心人物ロベール・デスノスに関する研究:デスノスの著作、書簡集、出版した雑誌やデッサンに加え、霊媒としてライバルだったルネ・クルヴェルの書簡をフランス国立図書館とジャック・ドゥーセ文学図書館にて調査し、どのようにしてデスノスが霊媒実験の中心人物としてグループの中で頭角を現し、活躍するようになったのか、その過程を明らかにした。 2.1920年代のパリの降霊術の実験に関する研究:科学者たちが結成した国際心霊現象研究所(IMI)の活動に関する調査を実施し、当時の科学者のオートマティスムに対する興味、医学的な根拠を理解した。シュルレアリストたちが霊媒実験を行った時期の研究を理解することで、この分野に関するシュルレアリストたちの知見の射程や科学者とは異なる彼ら独自の関心が明らかになった。 3.素朴派に関する研究:フランスの霊媒画家フルーリ・ジョゼフ・クレパンの晩年に手がけたガラス作品に類似した作品を手がけるクロアチアの素朴派の画家に関する調査をナイーヴ・アート・ギャラリー(ドゥブロヴニク、スプリト、ザグレブ)にて行った。だがクレパンの「真珠」と呼ばれる技法に関して解明されなかった。 4.戦後のアンドレ・ブルトンの活動に関する研究:戦後のブルトンの政治、倫理に関する活動をカミュとの交流を通じて明かにしたソフィー・バスティアンの講演「アンドレ・ブルトンとアルベール・カミュの関係」を翻訳し、『京都産業大学論集 人文科学系列』に発表した。翻訳を通じて戦後のブルトンの主要な審美的関心と政治的な関心の軸になった倫理観を理解することができた。
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Research Products
(3 results)