2019 Fiscal Year Annual Research Report
Translation as Creative Writing
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16K02572
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
新本 史斉 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (80262088)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドイツ語文学 / 翻訳論 / 越境文学 / ハンガリー / I・ラクーザ / C・ヴィラーグ / T・モーラ / R・ヴァルザー |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年6月の日本独文学会春季大会(於:学習院大学)においてシンポジウム「創作システムとしての翻訳」を開催し、文学翻訳活動と創作活動が緊密に結びついた現代作家として、U・ヴォルフ(発表者:松永美穂)、H・ミュラー、O・パスティオール(発表者:山本浩司)、I・ラクーザ、C・ヴィラーグ、T・モーラ(発表者:新本史斉)、多和田葉子(発表者:斎藤由美子)、古井由吉(発表者:関口裕昭)をとりあげ、翻訳者=作家が切り拓く創作可能性について発表、討論を行った。本シンポジウムの成果は『創作システムとしての翻訳』(日本独文学会研究叢書第139巻)として、2020年6月に電子出版物の形で公開予定である。 2019年11月には雑誌『思想』(特集「危機の文学」)に論文「ヨーロッパ越境文学の新展開―ドイツ語文学を拡大するハンガリー語からの翻訳者=作家たち」を寄稿し、ドイツ語圏における18世紀以来の異化的翻訳方法の伝統、20世紀後半のドイツ語圏社会の変動と関連させる形で、中東欧圏からドイツ語圏に越境してきた翻訳者=作家たちの創作活動について論じた。 また、2020年3月には単著『微笑む言葉、舞い落ちる散文―ローベルト・ヴァルザー論』を刊行し、文学研究、翻訳研究の両面から当該作家の散文作品の可能性を詳論した。それに先立つ2019年8月にはスイス、ビール市で開催されたパブリック・アート『ローベルト・ヴァルザー・スカルプチャー』において公開講演「なぜ、ヴァルザーは、日本においても、かくも重要なのか?」を行い、ヴァルザー作品の日本語訳が日本の現代作家(小川洋子)、映画監督(三宅唱)らに与えつつある創造可能性について、ドイツ語で発表、討論を行った。 その他、2019年7月には川崎市民アカデミーにて、11月には國學院大學にて、R・ヴァルザーの翻訳と世界文学をテーマとする公開講演を行った。
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Research Products
(12 results)
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[Book] 『スモンスモン』2019
Author(s)
ソーニャ・ダノウスキ、新本 史斉(翻訳)
Total Pages
38
Publisher
岩波書店
ISBN
9784001126860
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