2016 Fiscal Year Research-status Report
旧満洲地域の都市歴史文化地図シリーズ第二分冊「ハルビン編」の制作
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16K02591
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
木之内 誠 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (50195327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 明男 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (10341942)
橋本 雄一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30305403)
平石 淑子 日本女子大学, 文学部, 教授 (90307132)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地図 / 満洲 / ハルビン / 都市計画 / 都市の歴史的景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究当初年度のスタートアップ的な作業として、地図制作に必要な基礎的なコンテンツ情報の入手のために、日中両国の図書館や資料館、研究機関の所蔵資料等からの関連資料の調査収集作業を中心に進めた。具体的な調査対象としてまず、代表者および分担者の所属する研究機関での関係資料の閲覧と複写資料の作成を行った。また、国立国会図書館所蔵のマイクロフィルムの閲覧、京都の国際日本文化研究センターが収蔵するハルビンの歴史的な地図資料等の撮影および複写、中国側の所蔵資料としては、2016年9月の現地調査時に、黒竜江省立図書館においてハルビンの歴史景観地区に関する調査報告等の資料を閲覧し資料的な調査を行った。これらと並行して、研究代表者および分担者がすでに入手している資料の複写整理、ネット上の保存スペースを利用した共有化を進めた。 これに加えて、国内および中国現地で関連書籍の購入を行い、新旧の地図類等の資料が蓄積した。また、インターネット経由で得られる現地の地理情報などのデジタル資料としての蓄積を進めていった。 ハルビン現地の現況調査を2016年9月に、全研究メンバーの参加の下で実施した。事前に準備した予備的な地図資料を実地に参照しながら、ハルビンの歴史的な市街地の総体的な概況の理解を各メンバーが進めることができた。写真や動画による現地情報の収集と蓄積をおこない、次年度以降のより詳細な現地調査への準備とした。 こうして収集された各種資料の活用のための基礎的な作業手順として、歴史的地名、建造物、記念地などの項目を抽出し、これについてのデジタルデータベースの整備を開始した。ハルビンの都市建設史に不可欠な要素としててロシアの関与があるため、代表者は、ロシア語文献を視野に収めた研究を進めるべく、ロシア語読解への予備的な学習を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画のなかでは、北京など現地ハルビン以外の都市での資料調査を予定していたが、本年度はこれを行うことができなかった。また、本人居留民の生活経験など、日本人にとってのハルビンに関する事項も、書物の上での資料整理だけでなく、「哈爾濱学院」ほかの同窓会関係者への、聞き取り調査を行う予定であったが、これも本年度中には実現できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ハルビン現地での調査を各メンバーが、一回ないし二回程度行ないっていく。国内外の関連資料の調査と整理、基本項目のデータベース化を進めていく。現地作業のための基礎的なツールであると同時に、本研究計画の最終成果でもある、歴史文化地図本体の制作作業を本格的に開始する。前年度に実施できなかった、北京上海等の図書館での資料調査および、かつてのハルビンでの生活体験をもつ日本人居留民へのインタビューを行いたい。
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Causes of Carryover |
前年度末の調査旅行の計画が事情により一部変更となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の調査旅行の旅費として計上し全額支出する予定。
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Research Products
(9 results)