2016 Fiscal Year Research-status Report
越境と共生の文化学ーラフカディオ・ハーンと夏目漱石を中心に
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16K02603
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
坂元 昌樹 熊本大学, 文学部, 准教授 (70346972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西槇 偉 熊本大学, 文学部, 教授 (50305512)
濱田 明 熊本大学, 文学部, 教授 (60264264)
福澤 清 熊本大学, 文学部, 教授 (80136697)
永尾 悟 熊本大学, 文学部, 准教授 (80389519)
平野 順也 熊本大学, 文学部, 准教授 (40432992)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ラフカディオ・ハーン / 夏目漱石 / 異文化接触 / 多文化共生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ラフカディオ・ハーン(1850-1904)と夏目漱石(1867-1916)の文学と思想について、異文化接触や多文化共生研究の視点を導入しながら、越境と共生の文化学の構想の一部としてアプローチすることを目的とする。ハーンと漱石の両者を、帝国と植民地によって特徴づけられる19-20 世紀の近代世界における移住や移民、亡命などの集団的な経験を表現した存在として理解した上で、研究代表者・分担者の所属機関である熊本大学に存在する各種の文化的資源を活用した共同研究を意図している。 当該年度においては、年度計画に基づいて、ハーン・漱石研究から見た東アジアにおける越境と共生を主なテーマとして、ハーン・漱石を通して見える文化的越境の諸ケースについて各自が研究を進めた。年度計画中の東アジア地域での国際研究活動については、研究代表者の坂元昌樹と研究分担者の西槇偉が、中国の杭州師範大学で開催された国際学術検討会に参加し、同分科会で漱石に関して研究報告を行った。また杭州師範大学の関係者や同学会に参加した研究者との学術交流を行い、中国での資料収集と調査を実施した。研究分担者の福澤清は、島根県松江市における各種の資料調査を行うなど、ハーンを中心としつつ漱石を含めた調査研究を遂行した。研究分担者の濱田明は、次年度の研究計画で予定されるハーン・漱石研究から見たヨーロッパにおける越境と共生というテーマを視野に収め、ハーンとフランスに関する各種研究を実施した。研究分担者の永尾悟と平野順也は、それぞれの英語圏の文学・文化についての個別研究を通して、次年度以降の共同研究計画へ向けての準備を進めた。研究代表者と各研究分担者は、定期的に研究打ち合わせを実施し、共通の所属機関である熊本大学におけるハーンと漱石についての文化的資源の活用方法の検討を含めて、共同研究を進める上で必要な情報の共有に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度計画におけるハーン・漱石研究から見た東アジアにおける文化的越境の諸ケースの検討というテーマについては、中国杭州師範大学での国際学術検討会での研究発表と現地での資料収集と調査を実施するなど当初の計画に従って進めることができた。また、次年度のヨーロッパにおける文化的越境の諸ケースの検討という年度計画に向けても、当初の計画に沿って共同研究の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本共同研究の研究成果の発表を計画的に進めたい。また、次年度においては、年度計画に基づいてハーン・漱石研究から見たヨーロッパとその文化的越境の諸ケースの検討を主要なテーマに、共同研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
物品費等の一部執行を次年度以降に延期した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究の遂行に必要な物品費等として使用する。
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[Presentation] ハーンの「柔術」2017
Author(s)
濱田明
Organizer
富山大学ヘルン(小泉八雲)研究会
Place of Presentation
富山大学
Year and Date
2017-02-12
Int'l Joint Research
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