2020 Fiscal Year Research-status Report
アジアの薬草メディスンマンにおける医療表象文化と神話・歌謡文学の発生理論の研究
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16K02615
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
毛利 美穂 関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (70556026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 瑞樹 関西大学, 教育開発支援センター, 研究員 (60773794) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 医療人文学 / 比較文学 / 生命科学 / ナノライフサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の実績は、主に次の2点である。(1)人文学系アプローチから、医療人文学の方法論をまとめ、また、(2)医学・薬学・生物学・生命科学系アプローチから、医療人文学の方法論についていくつかの試論を挙げたことである。 (1)については、主に研究代表者の毛利が担当し、文学作品を解釈するための新たな枠組みを提示するための方法論として、具体的には、文学に描かれた医療表象に注目することで、医療人文学という新たな分析視覚から、従来的なテクストクリティークを乗り越える試みを提示した。このことによって、文学における医療表象の「薬理」を追究する手法を獲得し、医療人文学的文学理論への構想を着実に推進する基盤を作り上げることができた。 (2)については、主に研究協力者の中尾が担当し、沖縄やヨーロッパでの調査を元に、主にナノライフサイエンスの視点から、テキストと病症や医療的事象の関係について試論を行うことができた。 2020年度の特筆すべき点として、新型コロナウイルス感染症の影響により、対外的な活動を自粛せざるを得なかったことを挙げる必要がある。具体的には、予定していたメディスンマンの言説を収集するための追加調査は、5月、そして1月に計画していたが、緊急事態宣言等による渡航禁止令および調査地との調整の結果、断念することになった。また、5月、7月、10月にアプライしていた国際カンファレンスの中止・延期に伴い、成果の報告および海外研究者との情報交換とイベント実施の計画を見直すことになった。 以上のことから、2020年度は、研究計画の見直しを行い、具体的な成果のまとめは次年度に行うことを決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者および研究協力者は、(1)本研究課題の調査研究実施のための基礎的研究、(2)「医療人文学」としての文学生成理論の構築に向けての仮説検討、(3)関連研究者および海外研究機関、研究者とのネットワーク構築、情報交換に従事した。その結果、「医療人文学」という研究手法を明確化し、方法論を提示できたことはまずまずの実績であった。 ただし、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、対外的な活動を自粛せざる得なかったことが、研究の鈍化をもたらしたと感じている。新型コロナウイルス感染症による制約を補うため、研究計画の見直しを都度行いつつ、資料の整理や方法論の試論を重ねてきたが、具体的な成果報告には不足要素もあり、今年度でまとめることは適切でないと判断した。そのため、「やや遅れている」とする評価が妥当であると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、成果をまとめるため、(1)「医療人文学」としての文学生成理論の構築に向けての仮説のまとめ、(2)関連研究者および海外研究機関、研究者とのネットワーク構築、情報交換に従事する。 新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たない、かつ対外的な活動自粛となる現状を考慮し、研究協力者との打ち合わせの結果、次の2点を目指していく。(1)国際カンファレンスでの発表を含めた現時点までの成果をまとめることに注力し、(2)海外研究者とのネットワーク強化を模索し、文理融合の「医療人文学」発信、そして研究会の構築を目指す。もちろん、社会情勢(新型コロナウイルス感染症の流行による政府・自治体の方針)に沿いながら、必要に応じて追加調査等ができる場合は手配するが、現時点においては、いくつかの国際カンファレンスはオンラインで実施されることがすでに決定しており、新たな調査よりも、現時点までの成果の整理・分析を重視する。
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Causes of Carryover |
2020年度は、収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症の影響によって、計画・予定していた出張・研究発表が中止・延期となり、対外的な活動を自粛せざる得なかった。また、学内の施設利用などの制約も大きく、オンライン授業への移行に伴って研究協力者との打ち合わせの頻度も減ったことで、2020年度に成果をまとめることは拙速となる可能性もあり、適切な予算執行が難しいと判断した結果、次年度使用額が生じた。 現在までの新型コロナウイルス感染症や社会状況を鑑み、2021年度は、現時点までの成果の整理・分析を行い、その成果報告をまとめることを主軸とした研究計画を立てている。
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Research Products
(2 results)