2016 Fiscal Year Research-status Report
統語構造の階層性および非均一的な言語現象に関する包括的研究
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16K02628
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岸本 秀樹 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (10234220)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 構文交替 / 統語構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の「統語構造の階層性および非均一的な言語現象に関する包括的研究」は本年度が初年度にあたる。研究の目標は、いわゆる節の周辺部の階層構造に加え,複雑述語の階層構造など,命題の決定に関わる階層構造をその考察の対象にし,原理的な説明を加えることである。さらに、複雑な要因の絡む非均一的な言語現象をいくつか体系的にとりあげ,説明理論の構築を目指すことが本課題の研究の大きな柱となる。本年度は、特に、研究基盤を整えることに力点を置き、理論的考察のための基盤づくりや、研究目標達成のために必要となる基礎的な研究を進めた。具体的には以下のように研究を進行させた。まず、基本的な研究として、言語現象を的確に記述できる理論開発のための文献の調査をおこない問題点を整理した上で、研究の方向性に関する検討をおこなった。本年度は、特に、日本語および英語を中心に基本データの収集と整理をおこない、いくつかの構文の比較対照をおこなった。フランス、香港に出張し、当地の大学主催のワークショップ等で研究発表をおこない、また、資料集および意見交換のためにイタリアで行われた言語学の学会にも参加した。国内においては、日本英語学会のシンポジウムの発表、福岡言語学会で研究発表をおこなった。北海道大学で行われた言語学ワークショップにおいても、研究発表をおこない、さらに他の発表のコメンテーターの役割を担った。以上のように、初年度は、資料収集および意見交換が中心の活動が多かったが、途中経過を報告する研究発表もおこなうことができ、おおむね着実な研究の進展と成果が得られたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマに関する意見交換を何人かの研究者と行うことができた。また,進行中の研究成果の一部を発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度のの達成度をふまえた上で,次年度以降の研究計画を進行させる。次年度は、基本的な課題の検討およびその解決にむけ研究をすすめる予定で有る。
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Research Products
(5 results)