2017 Fiscal Year Research-status Report
自然言語における名詞の分解-名詞の最小構成単位と類別システムとその普遍性の解明-
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16K02645
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
平岩 健 明治学院大学, 文学部, 教授 (10572737)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 不定語 / 名詞構造 / 否定極性表現 / 不定代名詞 / ラベル / 日本語と琉球語 / プロソディー / 統語論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度の日本語の不定語の統語構造の研究成果に基づき、沖縄語那覇方言の不定語の統語構造の詳細なフィールドワーク研究を行い、日本語との比較対照研究を行なった。未発表のため詳細は避けるが、このフィールドワークでは前年度の日本語の研究で提案した理論的説明の予測が正しいことが沖縄語のデータにより確認された。 また、8月にはガーナ大学教授のGeorge Akanlig-Pare氏を招聘し、2週間に渡りBuli語の名詞クラスシステムと否定極性表現の共同研究を行なった。否定極性表現等の不定代名詞の内部構造を明らかにする一方で、Vallduvi (1994)以来影響力のある従来の否定極性表現の分類法が正しくないことを示す証拠を発見し、ACAL49で研究発表を行なった。この論文は来年度以降にproceedingsに掲載予定である。 さらに日本語の類別詞と不定語の組み合わせに関する研究を行い、数を表す不定語はnanという独自の要素であること、またこの不定語は非顕在的要素であるNUMBERと結びつき一つの構成素を成していることを主張した。この研究はSnippetsに出版された。 前年度出版受理されたGur諸語の主要部内在型関係節内在型関係節の論文が出版された。また前年度NELS47で発表を行なった日本語の不定語の統語構造に関する論文も出版された。また、日本語の不定語の統語構造に関して複数の招聘講演(日本英文学会、TEAL11、慶応大学、ルンド大学)も行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語の不定語の内部構造の研究および琉球語(沖縄語那覇方言)とGur諸語の不定語/不定代名詞との比較対照研究、共に概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りで研究課題の推進方策に変更はなく、引き続き日本語、沖縄語、Gur諸語との比較対照研究を行う。
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Causes of Carryover |
2018年3月末に行ったACAL49での学会発表の旅費として精算予定である。
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Research Products
(14 results)