2017 Fiscal Year Research-status Report
「『経験』と『知識』に基づく文法」構築のための機能類型論的国際共同研究
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16K02656
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 愼 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (50236593)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二重判断 / 単純判断 / 言語普遍論 / 機能主義言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目にあたる本年は,「知識」と「経験」との関係を,主に「二重判断」(categorical judgement)と「単純判断」(thetical judgement)という19世紀以降ドイツ語圏で提唱されつつ20世紀の後半に日本語研究の成果と組み合わさる形で発展してきた概念から整理を行い,国内外のさまざまな研究集会で研究発表を行った。その概要は以下のとおりである。 29年9月:日本独文学会言語学ゼミナールにて,二重判断,単純判断についての研究発表を行った。その際,藤縄准教授(東京外大),Meienborn教授(ドイツ,チュービンゲン大)らと集中的な議論を行った。 29年9月:東京外大の研究ワークショップで,藤縄准教授,尾上名誉教授(東京大)らと二重判断,単純判断についてのシンポジウムを行い研究発表を行った。 29年9月:ミュンヘン大学Leiss教授, ウィーン大学Abraham名誉教授および東京外大藤縄准教授とともに共同で編集した論集を公刊した。同論集内で田中は「単純判断」「二重判断」についての類型論的な考察を提示した。 29年12月:オーストリア言語学会(Klagenfurt)で,ミュンヘン大学Leiss, Abraham両教授,東京外大の藤縄准教授らとともに,二重判断,単純判断についてのワークショップを開催した。 30年2月:ドイツ・ミュンヘンにてミュンヘン大学Leiss, Abraham両教授と話し合いを行い,29年12月に行ったシンポジウムにおける成果をドイツの研究出版社Buske社より公刊するべく準備を進めた。これらの国際研究集会等を通して,本計画研究を非常に高い成果を挙げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」欄で記載したように国内外の多くの研究集会で本計画研究のテーマについてのさまざまな研究発表を行い,国内外の研究者と議論を重ねている。 これらの研究成果を内外の研究者により広く知らしめ,議論を深めていくために,ドイツ語圏および日本での研究論集の出版を計画している。また,ウィーン大学Abraham名誉教授とは,共著論文の執筆を準備している。 また,次項「今後の研究推進方策」欄に記載のとおり,研究最終年である30年度にも多くの研究発表を予定し,その成果の発表に努めていく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度にあたる30年度は,これまでの共同研究の成果をドイツ,日本だけでなくヨーロッパの各地で広く公開し,議論を深めていく予定である。これにより,より大きな枠組みでの国際共同研究体制を構築すべく準備を行って行く予定である。本年度に計画している主な研究発表は以下のとおりである。 30年8月:ヨーロッパ言語学会(SLE,エストニア,ターリンにて開催)で,ミュンヘン大学Leiss, Abraham両教授,東京外大の藤縄准教授らとともに,二重判断,単純判断についてのシンポジウムを企画し申請を行った。この申請は認められ開催されることになっている。 30年10月:オーストリア言語学会(インスブルック)にて,これまで共同研究を行っていた研究グループチームでワークショップを開催するべく準備を進めている。
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