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2018 Fiscal Year Research-status Report

ドイツ語「結果構文」のコーパス分析と使役構文を含む「結果表現」の包括的研究

Research Project

Project/Area Number 16K02668
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

カン ミンギョン  東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (30510416)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords使役構文 / 結果構文 / コーパス
Outline of Annual Research Achievements

本研究ではドイツ語の使役構文と結果構文を関連づけて捉えることにより、ドイツ語における結果表現の全体像を記述することを目的としている。方法論的には、実例のコーパスデータを用いて、コロケーションを中心に構文の使用実態を分析し、理論的な研究の検証と精緻化を行なうことを目指している。具体的には、形容詞を伴う不変化詞動詞の結果構文の分析を行なった。当該の形容詞がどのような動詞と結びつき、またどのような意味タイプの結果構文を形成するのか、コーパスを用いて調査・分析した。形容詞kaputtの場合、(A1)状態変化動詞や(A2)接触打撃動詞と結びついて本来的結果構文を形成するもののほかに、様々なタイプの派生的結果構文が生産的に用いられていることが確認された。他動詞構文を形成するものとして、(B1)管理動詞と結びつく場合と(B2)活動動詞と結びつく場合、再帰構文を形成するものとして、(C1)活動動詞と結ぶつく場合と(C2)状態動詞と結びつく場合などである。(B)(C)タイプは、動詞の語彙的意味からすればkaputtとの結びつきは考えにくいが、動詞の表す行為が過度に(uebermaessig)行なわれたり当該の状態が長く続くことによって対象がkaputtの状態になることを表すものである。人主語再帰構文を形成するものの中には、sich kaputt lachen, sich kaputt sparenなどのように、結果状態としてのkaputtの意味は薄れ、単に行為を強調する意味として用いられるものもある。(C2)タイプの物主語再帰構文は、頻度的にはごくわずかであるが、先行研究との関連で興味深い事例として観察された。これについては、「構文と意味」というテーマでワークショップを開催し、研究報告を行なっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究成果の公表が十分ではなく、研究期間を1年間延長することにした。

Strategy for Future Research Activity

今後の計画として主に次の3つを考えている。まず一つ目は、形容詞の述語的用法としての結果用法(resultativ)vs. 状態描写用法(depiktiv)についてである。形容詞kaputtについても基本的に両方の述語的用法が可能だが、これまで行なったデータ分析では、結果的用法の事例がほとんどで、状態描写用法の事例は非常に限定的にしか観察されなかった。これには形容詞kaputtの意味が大きく影響していると考えられるが、さらに詳細な分析が必要である。次に二つ目として、他の形容詞についても結びつく動詞を中心に同様の調査を行い、結果用法vs.状態描写用法の割合や、結果用法の場合については結果構文のタイプ分析を行なう。これにより、形容詞の意味特性と結果構文の生産性および生産性のパターンとの関係について考察を深めることができる。そして三つ目は、結果構文を形成する「形容詞+動詞」の結合名詞(結果状態の主体)に着目した分析である。結果構文では、動詞が通常取る目的語とは異なる種類の目的語(非選択的目的語)と結びつくことがあるが、それと結果構文の受動文の使用割合との相関関係が観察されている。この現象をどのように解釈するかも課題の一つである。形容詞を伴う結果構文は、形容詞不変化詞動詞として語彙化されているものもあり、語彙と語結合(コロケーション)または構文の中間的な形式とも言える。結果構文を語結合の観点から捉える方法論を検証することも本研究の意義の一つである。

Causes of Carryover

適任の研究補助を見つらず、人件費・謝金分が執行できなかった。その分は、研究会参加のための旅費に使用するほか、昨年度同様、関連研究を行っている研究者を招聘し、ワークショップを開催する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] コロケーションと独和辞典の記述ーコロケーション活用の可能 性と限界ー2019

    • Author(s)
      井口靖、恒川元行、成田克史、黒田廉、カンミンギョン
    • Journal Title

      三重大学教養教育院研究紀要

      Volume: 4 Pages: 73-89

    • Open Access
  • [Presentation] 形容詞を伴う不変化詞動詞と結果構文―形容詞kaputtを伴う場合を例に―2019

    • Author(s)
      カンミンギョン
    • Organizer
      ワークショップ「構文の使用と意味」

URL: 

Published: 2019-12-27  

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