2019 Fiscal Year Research-status Report
バリ語山地方言の会話コーパスと語彙データベースの構築
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16K02673
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 真由子 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (20389563)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会言語学 / バリ語 / インドネシア語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インドネシア共和国バリ州におけるバリ語山地方言社会の特徴をふまえた組織的な会話コーパスを構築した上で、言語外の要素と言語構造、言語使用の相互作用を自然会話に基づき考察し、またバリ語山地方言に影響を与えるバリ語標準方言であるバリ語平地方言と国語インドネシア語の混在の傾向と分布を考察することを目的としている。そして、会話や談話に現れる語彙を収集済みの山地方言語彙に追加し、山地方言に特徴的な文化語彙を含む、また言語外の要素と言語の関係およびコード混在や借用などの社会言語学的変化に関する情報を盛り込んだ、山地方言語彙データベースを編纂することを目指している。 2019年度は、前年度に引き続き、バリ語山地方言地域であるバリ州ブレレン県プダワ村でこれまで収集した、語彙および会話データを整理し、記述をするという作業を進めた。また、それらと関連する村の社会構造、儀礼や行事、慣習といった言語外の事象について、画像・映像を含め、調査中に得られたデータを整理し、その内容を特に文化語彙の記述に反映させた。それによって、本研究の中心課題である、バリ語山地方言社会の文化的特徴と言語の関係の探求に必要な土台をさらに整備することにつながった。 さらに、インドネシア語の会話に頻繁に出現する副詞(限定、類似など)の統語的な分布や語用論的な機能について分析し、バリ語会話におけるインドネシア語の混在を考察する上で、それらの副詞がバリ語とインドネシア語の混在とどのように関与するのか注意していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3月に予定していた現地調査が新型肺炎の影響で中止となり、予定していたバリ語山地方言の会話の書き起こしや、これまでのバリ語山地方言語彙の記述の現地での確認や新たなデータ収集ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、海外渡航が可能となれば、前年度中止となった現地調査を、期間と回数を増やして実施することにより、やや遅れ気味の状況を改善したい。 まず、バリ語山地方言の会話の収集および書き起こしを行い、分析を進めたい。そして、バリ語山地方言語彙の記述について現地で確認し、新たな語彙の収集も行いたい。新たな語彙については、以前初期的な調査を行い収集した、山地方言地域の文化社会と密接な植物と植物利用についての語彙をもとに、さらにそれを拡張して調べることを予定している。
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Causes of Carryover |
2020年3月にインドネシアでの現地調査を実施する予定であったが、新型肺炎の影響で中止せざるを得なくなった。そのため、次年度額が生じた。2020年度は、状況が好転すれば、現地調査の回数と期間を増やす予定である。
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