2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sociolinguistic studies on the endangered Dagur language in Heilongjiang Province, China
Project/Area Number |
16K02686
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
包 聯群 大分大学, 経済学部, 教授 (40455861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉人 徳司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40302898)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ダグル語 / 危機言語 / 言語接触 / 言語変異 / 言語シフト / コードスイッチング / 混合言語 / 言語継承 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)2018年4-7月までに収集したデータの分析などを行い、8月に現地にて物語などのデータの収集や補充調査を行った。9月11日、12日に大分で開催された「第七回 日中国際ワークショップ」(科研基盤B、Cによる主催)にてダグル語や満洲語を事例として、中国東北地域における少数言語の保護と継承の現状について口頭発表を行った。 2)収集したデータを確認するため、2019年2月と3月に二回にわたって現地を訪れ、ダグル語の物語のデータを国際音表記で記録転写し、それについてもう一度確認をし、論文「言語接触の視点からみるチチハル市梅里斯ダグル語の特徴―物語「結婚と生活の礼節」を事例としてー」を作成し、『現代中国における言語政策と言語継承』(第四巻)に掲載した。ダグル語と中国語との言語接触の実態をある程度まで解明できた。 3)アンケート調査やインタビュー調査の研究分析結果を「言語使用と言語意識」としてまとめ、『現代中国における言語政策と言語継承』(第四巻)に掲載し、またダグル語の保護や継承の実態についてもまとめた。 4)2017年と2018年に開催された「日中国際ワークショップ」での発表論文、特にダグル語を中心とした研究成果をまとめ、論文集『現代中国における言語政策と言語継承』(第四巻)に収録し、出版した。 本研究は、社会言語学の視点から危機に瀕するダグル語の調査研究を行うことによって、今まで明らかにされていなかった中国黒龍江省チチハル市梅里斯におけるダグル語と中国語との接触実態を解明し、語彙の借用やコードスイッチングに留まらず、文法的な要素の借用乃至バイリンガル動詞などが生じている言語接触のプロセスを解明できた。また異なる年齢層のダグル人の言語使用の実態を明らかにした。今後、データに関する詳細な分析をさらに進め、他の地域のダグル語とも比較を行うことは大変重要な意義を持つ。
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Research Products
(9 results)