2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of Proto-Luish based on undescribed dialects of Luish languages of Tibeto-Burman
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16K02691
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 敬介 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (00569105)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | チベット・ビルマ語派ルイ語群 / チャック語 / カドゥー語 / ガナン語 / チャクパ語 / 方言 / 基礎語彙 / 言語変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年3月に出版したCak-English-Bangla dictionary(『チャック語-英語-バングラ語辞典』)について、2019年4月から5月、および12月にバングラデシュ・コックスバザールに渡航し、昨年度にひきつづき増補改訂作業をおこなった。作業の過程で、品詞としての形容詞のあつかいについて、意味によって語類がことなってくるという見通しをえた。 昨年度は調査ができなかったカドゥー語とガナン語については、2020年1月から2月にかけてビルマ・カチン州に渡航し、カチン州におけるカドゥー語とガナン語の状況を調査した。カチン州におけるカドゥー語とガナン語は、隣接するザガイン管区からの移住者によるものであることがわかった。まだ一世と二世が中心であり、ザガイン管区の方言と異なる部分はないといってよいことがわかった。しかし、三世となると言語が継承されていない例も散見される。将来的には、ビルマ語化していくことが予想される。3月はビルマ・ザガイン管区のホーマリン地方とピンレーブー地方に渡航し、未記述方言を調査した。特にピンレーブー地方ではモーラン・カドゥー語とモーカー・カドゥー語の相違について、知見をえることができた。具体的には、声調の変化の仕方が両者で異なることがわかった。 2019年5月には第29回国際東南アジア言語学会(東京)でモーラン・カドゥー語の音韻論についての初歩的な発表、6月には第158回日本言語学会(一橋大学)でマルマ語の精巧表現にかんする発表、12月には日本歴史言語学会第9回大会(広島大学)でパイェン語の言語特徴にかんする発表をおこなった。 おもな研究成果としては、モーラン・カドゥー語の民話を紹介した論文がある。
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