2020 Fiscal Year Research-status Report
形態・統語情報を考慮した多層的語彙ネットワークの描出とその応用に関する研究
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16K02697
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| Research Institution | Reitaku University |
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Principal Investigator |
千葉 庄寿 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (70337723)
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2016-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 言語学 / コーパス言語学 / フィンランド語 / 語彙ネットワーク / 可視化 / 学習者コーパス / 学習語彙集 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現代フィンランド語の大規模コーパスに基づく語彙の使用パターンをネットワークとして可視化し、語彙間のつながりを多層的に記述する試みである。2020年度は語彙ネットワークのデータベース構築とその可視化アルゴリズムの開発に基づき、データベースのオンライン公開にむけ、サーバーの準備と語彙ネットワークの可視化システムの開発をおこなった。さらに、主たる研究データである3つのコーパス(フィンランド語書き言葉コーパス(FTC)、学習者コーパス(ICLFI)、掲示板コーパス(Suomi 24))の解析フォーマットの違いについての問題について検討し、最新のFinnish-dep-parserを用いた解析結果に基づき最終分析の準備をすすめた。本年度の具体的な研究実績は以下のとおりである。
1. 語彙ネットワークデータベースに用いるコーパスの解析フォーマットの違いを解消するため、解析をやりなおし結果を対照した。Finnish-dep-parserの使用にともない旧来のデータに追加されていた情報が使用できなくなる問題については、今後さらに検討をおこなう予定である。
2. 語彙ネットワークデータベースと既存の辞書記述との比較分析をすすめた。現在2つの辞書の記述との対照をおこなっている。
3. 語彙ネットワークデータベースのオンライン公開にむけ、サーバ構築準備を開始するとともに、プロトタイプの公開システムの開発準備をおこなった。
4. 日本語を母語とする学習者のための学習語彙リストの公開準備をおこなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究成果の発表および研究者との研究リソース共有の機会として想定していた国際学会(13th International Congress for Finno-Ugric Studies, CIFU XIII)はコロナ禍により開催が2020年から2021年に延期となった。学会はその後さらに2022年8月に再延期され、科研費の研究期間内には実施されないこととなった。研究発表の実施を含め、2020年度はコロナ禍によりエフォート率が低下し、成果公開のための作業が著しく遅延することとなった。最終的な分析および研究成果公開の準備作業は2021年度に引き続きおこなう計画である。
フィンランド語学習者の作文データの収集は、研究協力者が実施しているフィンランド語の授業がコロナ禍により遠隔対応となったことで、研究代表者の関与が難しくなったことから、2020年度は追加のデータ収集をおこなうことができなかった。また、フィンランド語を長期にわたり学習している学習者への聞き取り調査についても、2020年度は実施を見送っている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2020年度は研究課題の最終年度であったが、コロナ禍によりフィンランド共和国を含めヨーロッパ地域での研究活動、研究発表などの成果公開活動が難しい状況となっており、参加予定である国際学会(CIFU XIII)も最終的に2021年度の開催が見送られている。
最終年度の研究成果として、現在まで進めている語彙ネットワークの可視化システムのプロトタイプを検索可能な形でオンライン公開するための作業をおこなっていく。また、国内・国外の学会・研究会での研究発表を実施し成果を報告する。また、フィンランド語の学習語彙集についてもオンライン公開の準備をすすめるとともに、研究成果についての論文執筆をおこなう。
研究計画に追加した、日本語を母語とするフィンランド語学習者の作文データについては、2020年度に実施できなかった追加データの収集に取り組むとともに、プレーンテキストデータの作成を完了する。また、2020年度コロナ禍により実施を見送った、フィンランド語を長期に渡り学習している学習者への聞き取り調査についても、今後実施が可能であれば調査を実施し、日本におけるフィンランド語学習状況の分析にむけたデータ収集をすすめたい。
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| Causes of Carryover |
当初計画していた海外での研究成果発表が学会延期にともない中止となった。学会は2022年度に再延期が決まっており、研究成果として計画しているデータベースのオンライン公開に関する作業、および国内での研究成果の発表のための費用として執行する予定である。
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