2017 Fiscal Year Research-status Report
文化外交としての対外言語普及政策と国内少数言語に関する基礎研究
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16K02706
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
柿原 武史 関西学院大学, 商学部, 教授 (10454927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲 潔 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00441618)
安達 直樹 摂南大学, 外国語学部, 講師 (70749465)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 言語政策 / 言語対外普及 / 移民政策 / 継承言語教育 / 少数言語 / 外国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度(平成28年度)の調査に引き続き、現地調査を実施した。8月に、当初平成28年度に予定していたヨーロッパにおける現地調査を代表者および分担者で実施し、ドイツ、スペインにおいて資料収集と聞き取り調査を行った。また3月に代表者がアメリカ合衆国(ニューヨークおよびマイアミ)での調査を行なった。 ドイツではフランクフルト・ガリシア・センター(Centro Gallego)、セルバンテス文化センターフランクフルトにおいて教育・文化活動の担当者に聞き取りを実施した。ガリシアセンターでは、ドイツにおける近年のスペイン人移民、特にガリシア出身者を取り巻く社会環境について、最新の情報が得られた。また近年の移民の言語に対する態度が、1960年代頃のガリシア出身移民とは異なる点など興味深い情報が得られた。また、現在は諸般の事情からガリシアセンターの運営、文化活動の維持が困難である現状についても説明を得られた。セルバンテス文化センターでは、2008年の開所以来の活動内容についての詳細な情報が得られた。スペインの地域言語の中ではカタルーニャ語の講座が定期的に開講されてきているとの情報が得られた。 スペインではガリシア自治政府言語政策局長、サンチアゴ大学教授に対する聞き取り調査を行い、最新の動向について情報収集を行った。 アメリカでは、セルバンテス文化センターニューヨーク、Casa Galicia NY、Centro Orensano Newark、マイアミ・キューバディアスポラ美術館で聞き取り調査を実施した。その結果、ニューヨークのガリシア移民社会においても近年は高齢化などにより互助組織の維持が困難である点など問題点が明らかになった。マイアミではキューバ人亡命者の多くがガリシア系であることから、本研究に関連する情報が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は当初予定していた現地調査が十分に行えず、やや遅れていたが、今年度にヨーロッパ(ドイツ、スペイン)およびアメリカ合衆国での調査を実施することができたため、ほぼ当初の予定通り推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度は、これまでの現地調査で収集した資料を整理、分析するなど調査を継続するとともに、研究成果の報告を行う予定である。9月にスペイン・マドリードで行われる国際学会での報告を予定している。そのほかに関連分野の学会や研究会の機関誌における論文などで成果の報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
現地調査を実施する際に、効率的な出張日程を組んだことから、当初想定していたよりも抑えた金額で実施することができたため、次年度使用額が生じた。次年度に研究資料の購入や成果報告の旅費などで支出する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Book] かかわることば2017
Author(s)
佐藤慎司 編 佐伯胖 編仲潔
Total Pages
224
Publisher
東京大学出版会
ISBN
9784130530897