2017 Fiscal Year Research-status Report
日本語の用言データベース更新とそれに基づく計量分析および合成形用言の語構成史
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16K02746
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Research Institution | Osaka International University |
Principal Investigator |
村田 菜穂子 大阪国際大学, 国際教養学部, 教授 (60280062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 武 大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30238844)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 形容詞 / 形容動詞 / 動詞 / 語彙 / 近世 / 洒落本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、上代から中古に亘る通時的な視点に立ち、古典語の用言、すなわち、形容詞・形容動詞・動詞語葉について、語構造論及び造語論の両観点から分析を行って。一つ一つの語の語櫛成を記述するとともに分類を行い、その一方で、語葉表を作成するとともに語構成分析結果を反映させたデータベースシステムを構築することと、「合成形用言の語構成史」を構築し、従来の研究方法では得られなかった知見を導き出すことである。今年度は、以下の作業を行った。 (1)近世形容詞・形容動詞の採取を行う前に、関連する中世擬古物語4作品の形容動詞の分析と中古・中世の日記文学の比較を行う。 (2)洒落本(聖遊廓、月花余情、新月花余情、陽台遺編・ショウ閣秘言、異本郭中奇譚、短華蘂葉、北華通情、南遊記、粋の曙(当世粋の曙)、色深ソラネノ夢、原柳巷花語、無論里問答、風流裸人形、阿蘭陀鏡(青楼阿蘭陀鏡)、昇平楽、嘘之川(当世嘘之川)、竊潜妻(滑稽酔言竊潜妻)、誰が面影(浮世滑稽誰が面影)、箱まくら(河東方言箱まくら)、興斗月、郭中奇譚、侠者方言、南閨雑話、甲駅新話、当世左様候、深川新話、総籬、仕懸文庫、花街鑑(玉菊全伝花街鑑)、花街寿々女(廓鑑余興花街寿々女))を対象に近世形容詞・形容動詞の採取を行う。 (3)(2)で採取した形容詞・形容動詞の語構成分析を行い、形容詞・形容動詞の一つ一つについて、語構成分析情報(語構造論的分析情報・造語論的分析情報)を配し、それぞれに分類コード付けを行う。これらの語構成分析情報と使用頻度の情報等、すべての情報を入力し、データベースを作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に、対象資料の準備の都合から、研究計画の年度の一部入れ替えを行い、平成28年度に平成30年度実施計画分の俳諧を対象にすることとした。平成29年度は元々の平成28年度の予定であった黄表紙5作品、洒落本5作品を対象としていたが、『日本語歴史コーパス 江戸時代編I』で洒落本30作品の形態論情報付きデータが平成31年3月に公開されることがわかり、その公開を待っていたことから予定より少し遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、未着手の①黄表紙②仮名草子③浮世草子を対象に語彙データの収集・分析を行っていくが、その際、『日本語歴史コーパス 江戸時代編』の一環として今後公開が予定されている人情本コーパスも参照しながら効率的に計画を進めていく。
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Causes of Carryover |
(理由) 当初予定していたデータ入力作業に遅れが生じ、年度内に支出する予定であった謝金の支出ができなかったため。 (使用計画) 今年度処理できなかった入力作業については、次年度開始直後の早い段階で処理を行うことで対処する。
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