2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K02748
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
木下 りか 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (50314026)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認識的モダリティ / 多義 / 意味拡張 / 主体の客体化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、認識的モダリティ形式の多義性を体系的に記述することにある。認識的モダリティ形式は、認識的モダリティを表す形式として真偽不定の内容について述べる場合に使われるだけではない。真であることが確定した内容について述べる場合にも用いられる。後者の場合、同じ形式であっても発話の仕方を示す機能を担うと考えられる。 この研究課題を達成するために、本年度はまず、昨年度行った「かもしれない」「はずだ」の多義記述の精緻化を図った。その結果、言語に広く観察される多義的な意味拡張のあり方と「かもしれない」の多義的な語義を結ぶ関係との間に接点があること、具体的には発話主体の客体化が「かもしれない」の多義的な意味拡張の動機であることが示された。一方の「はずだ」については、夏目漱石『こゝろ』とその翻訳について分析を行い、二つの「はずだ」、すなわち認識的モダリティとしての「はずだ」と、妥当性の主張を表す「はずだ」とが、英語では訳し分けられる傾向があることを明らかにした。これは、二つの意味を別の語義と認める根拠の一つとなり得る。 この他、本年度はまた、「ようだ」「らしい」の分析にも着手した。文学作品を対象として「ようだ」と「らしい」とを比較し、認識的モダリティとしての意味から発話の仕方を表す意味に継承されている可能性の高い両形式の差異について考察を行った。これを手掛かりに、これらの形式の多義性について分析を進めることになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、「かもしれない」「はずだ」の記述を精緻化しつつ、当初の計画どおり「ようだ」「らしい」の多義性についての考察に着手した。およそ、計画どおりである
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Strategy for Future Research Activity |
「かもしれない」「はずだ」「ようだ」「らしい」についての分析成果をまとめ、その多義性が生じる動機の共通性の有無を見据えつつ、記述を進める。
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Causes of Carryover |
図書の選定、プリンタの選定が遅れている。図書の購入や、印刷のための機器購入の費用、国内が海外の学会発表のための旅費、参加費にあてる予定である。
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