2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study of a derivational affix that is not a type: the prefix a- and its establishment, decline, and spread
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16K02754
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長野 明子 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90407883)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 派生形態論 / 語彙素 / 形態理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題実施の最終年度にあたり、大きく2つのことを行った。1つ目は、英語語形成研究の専門家であるElizaveta Tarasova氏(International Pacific University, New Zealand) を招聘し、講演会とワークショップを実施した。関東・東北の2地区で実施したので、英語派生形態論研究の知見を広く公開し、大学院生・大学生の教育に寄与することができた。
2つ目は、英語学の各種理論的枠組みや、2000年以降に発表された形態論関連の著書や論文について網羅的な文献調査を実施した。また、そこで提案されている各種の仮説について、British National CorpusやWordbanks onlineといった大型電子コーパスを用いた実証的調査を行った。そして、その結果と、本課題の平成28・29・30年度の研究実績を総合して語彙素基盤の形態理論での統合的分析を行い、『形態論とレキシコン』と題する専門書としてまとめた(西山國雄氏との共著、開拓社から2020年秋に出版される予定)。
接頭辞a- という1つの例外的な派生接頭辞を中心に据えて行ってきた本課題であるが、この接頭辞の共時的・通時的側面を解明することができたことに加え、形容詞派生の仕組みについて、さらには派生形態論一般の仕組みについて、という風に次第に抽象度を上げながら関与する体系の解明を行うことができた。このような研究手法は、語彙に着目する言語研究においては今後さらに洗練させて利用していく価値があると考える。
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