2020 Fiscal Year Research-status Report
ミニマリスト・プログラムにおける文生成コンピュータプログラム構築と統語理論の開発
Project/Area Number |
16K02769
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
Ginsburg Jason 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80571778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 マスミ 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (10209653)
寺田 寛 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90263805)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 統語理論 / コンピュータモデル / 樹形図 / 併合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主な目的はミニマリスト・プログラムの最新の統語理論を検証するためのコンピュータプログラムを構築することであり、2019年度に引き続き2020年度も目的を達成するために研究を続けた。 2020年度は、モデルの表示機能に力を入れた。Chomsky (2013, 2015)の提案する統語操作(集合併合と対併合)をわかりやすい形で樹形図の中にHTML形式で表示できるようにプログラムを修正した。集合併合で組み合わされた要素は同等の立場にあると考えられており、集合併合を表すため、樹形図に通常の線を利用した。しかし、対併合で2つの要素が組み合わされると、一つの要素は主要な要素と別の次元にあると考えられるため、半円形で対併合を表すようにモデルを改良した。 2020年度の5月に、海外研究協力者Sandiway Fongと分担者の寺田寛と動詞が補部に与える制限についてのポスター発表を日本英語学会の国際春季フォーラムで行う予定だったが新型コロナウィルス感染拡大のため、学会が中止になった。 海外研究協力者Sandiway Fongと一緒に関係節についての論文作成に取り組んだ。特に、比較を表す関係節、否定形を含んだ関係節、そして副詞句を含んだ関係節をコンピュータモデルに取り入れて、モデル化により、関係節を図解できる理論を作成・検証した。関係節についての論文を書き直して、学術雑誌に再度投稿した。 付票貼付についての研究にも取り組んだ。付票貼付を取り扱っている最新の言語理論では、不定詞、助動詞、そして補部を取る動詞をモデルに取り組んで、モデルの結果に基づいて論文を作成した。論文を学術雑誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は2019年度までの延長されたものである。2016年度~2019年度までの間にモデルのアウトプットを表示する機能の開発に予想以上の時間がかかった。そして、データ分析にも多くの時間を費やした。そのため、予定していた一部の種類のデータをモデルに取り入れることができなかった。 2020年度には、疑問詞疑問文と動名詞構文の一部のデータを付票貼付対応のコンピュータモデルに取り込むことに成功した。また、コンピュータモデルを利用して関係節の研究を行なった。海外協力研究者のSandiway Fongと関係節についてのモデル作成に基づいた論文作成に取り組み、論文を雑誌に投稿した。コンピュータプログラムの表示機能に時間と労力を注いだ。対併合を半円形で表すためにプログラムを改良した。この作業に時間がかかったため、予定していたほどにはプログラムを拡大できなかった。また、対象データをモデルに取り入れながら、必要に応じて問題解決を行なった。特に、一つのモデルで多くの例文を生成できるようにモデルを改良した。研究成果を公表できるように努力した。モデルの多くのアウトプットをウェブ上で一般公開している。動名詞構文と関係するポスター発表を日本英語学会の国際春季フォーラムで行う予定をしていた(新型コロナウィルスのため、中止になった)。また、不定詞、助動詞、そして補部を取る動詞を含む構文における付票貼付についての論文を学術雑誌に投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度はこの研究計画の最終年度であったが新型コロナウィルス感染症のため、使用できない旅費が余り、本研究事業を一年間延長した。 昨年度に引き続き、今後、構築中のプログラムを拡大することに取り組む。今までに、付票貼付を利用していないモデルに関係節の分析を行なったが21年度には、付票貼付を取り入れているモデルに関係節を組み込んで、モデル化を行う。また動名詞構文の一部のデータをモデルに入れたがデータはまだ少なく、十分に分析していないため、もっと徹底的にモデル化を行う。同族構文のデータをモデルに組み込んで分析を行う。また、疑問文と関係節の分析を続ける。 海外協力研究者Sandiway Fongと分担者の寺田寛と松本マスミに相談しながら分析を行う予定である。打ち合わせを行うことでより効率的に、コンピュータモデルの問題点を把握・解決でき、論文作成について話し合うことができる。可能であれば、海外協力研究者と直接会って研究打ち合わせを行う。新型コロナウィルスにより、直接会うことが不可能な場合、ウェブ会議システムなどを適宜利用する。 今年度は、自由併合の研究を開始する予定である。自由併合を検証するため、語彙項目を組み合わせる無限の可能性から対象となる構造を抽出する必要がある。高性能のコンピュータを利用して、計算言語学を専門とする海外研究協力者Sandiway Fongとともに自由併合の研究を行う。 研究成果を公表する予定である。ウェブ上にモデルの結果を公開する。また、論文作成と学会発表で研究結果を公表する予定である。特に、疑問詞疑問文と動名詞構文についての論文の完成に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度に、海外協力研究者と研究打ち合わせのためアメリカのアリゾナ大学へ行く予定であったが、新型コロナウィルス感染症のため、出張を中止せざるを得なかった。そのため、未使用の旅費315,490円が生じたため、補助事業期間延長承認申請書を提出して、延長が承認されたので20年度に使用する予定であった。しかし、20年度も新型コロナウィルスのため、アリゾナ大学での打ち合わせを行うことができなかった。物品費に20,173円を使用したが、295,317円の残高が生じた。補助事業期間延長承認申請書をもう一度申請した。21年度に旅費として使用可能ならば研究の打ち合わせのため、この金額を有効に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)