2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K02773
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 不二夫 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (20149496)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 英語史 / 近代英語 / 助動詞 / 否定辞縮約 / 統語変化 / 形態変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
①2018年9月10日-17日、第48回ポズナニ言語学会 (於アダム ミッキェヴィチ大学 [ポーランド]) において、14世紀から20世紀末に至る英語史料(1億語からなるBNCコーパス、各100万語からなるLOB, FLOB, Brown, Frown, ACE, Kolhapur、70点114冊からなるInteLex Past Masters、325冊の14世紀-20世紀イギリス英語史料、410冊の18世紀-20世紀アメリカ英語史料、1600年-1999年に書かれた英語史料の集成ARCHER ver. 3.2コーパス等から収集した1万弱の用例を根拠に、英語の基数詞と序数詞の歴史について口頭発表を行った。大規模かつ精密な研究発表に対し、聴衆からも、司会を務めた開催大学の学科主任からも、余るほどの賛辞をもらった。②9月24日-29日、第30回スペイン中世英語英文学国際会議 (於オヴィエド大学 [スペイン]) において、don't/can't/won't/shan'tとdoesn't/didn't/couldn't/shouldn'tとの間には確立に100年-150年の開きがある理由について口頭発表を行った。この発表も、94,000例を超える膨大な調査に基づいた発表で、不快な3子音連続が後者の確立を遅らせたとする私の発表は、ロンドン大学、オックスフォード大学を始めとするヨーロッパの硯学から高い評価を受けた。③上の2つの国際会議の間を活用し、9月19日-22日、ケンブリッジ大学図書館において、本研究課題である近代英語統語論に関する研究を行った。④2018年12月、出版が大幅に遅れていた著書(共著) H. Ohno, K. Mizuno, and O. Imahayashi, eds. The Pleasure of English Language and Literature (Hiroshima: Keisuisha). (担当部分 “Negative Declarative I not Say and Negative Imperative Not Say in Modern English”)が上梓された。以上、本研究課題が国際的にも有意義であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本務校の教育と各種委員の業務、特に学科主任を務める中、国際会議口頭発表2件、著書(分担執筆)1点を世に問うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
第40回近代・中世英語の国際コンピューターアーカイブ会議(ICAME 40、於スイス連邦ヌシャテル大学)から発表許可通知が届いたので、5月30日-6月9日に、1250年-2000年のイギリス英語328点と1750年-2000年のアメリカ英語410点のイギリス英語史料、BNC、ARCHER 3.2、InteLex Past Masters (OUPから出版された115冊の日記・書簡史料の電子版)、Helsinki Corpus、ICAMET、CEECS、Lampeter、Newdigate Newsletters、LOB、FLOB、Brown、Frown、OED2 on CD-ROMの全引証、現代オーストラリア英語ACE、および現代インド英語Kolhapurを分析し、prevent/stop/save/etc. NP from Verb-ing構文のfromが、イギリス英語とは異なりアメリカ英語で保持されている理由を解明するため、“Explaining American English Usage with Historical British English Usage: Use or Disuse of from in prevent NP from Verb-ing and its Synonymous Constructions”と題する口頭発表を行う。また、正月明けには2020年アメリカ言語学会年次大会で、「現代アメリカ英語の語法をイギリス英語の語法の歴史で解明する」シリーズとして、アメリカ英語において he don't knowの語法の確立が20世紀半ばまでずれ込んだ理由について口頭発表を行いたい。今年度も、会期を通じて世界の先端の学説を吸収し、他者の口頭発表にも積極的にコメントと質問を行いたい。世界の先端の学説を吸収することにより、日本における教育と研究に活かすことができるものと信ずる。なお、論文は、2編執筆予定である。著書(単著)は、英語でなく日本語で執筆することに変更した。
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Causes of Carryover |
たとえ207円という僅かな金額であっても血税を無駄に使用すべきではないと判断したため、次年度に執行することとした。
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Research Products
(3 results)