2019 Fiscal Year Research-status Report
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16K02773
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
中村 不二夫 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (20149496)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 英語史 / 近代英語 / 統語変化 / 形態変化 / 助動詞do / 進行形 / 否定辞縮約 |
Outline of Annual Research Achievements |
① 2019年5月30日-6月9日、第40回近代・中世英語の国際コンピューターアーカイブ会議(於スイス連邦ヌシャテル大学) において、「邦訳 現代アメリカ語法をイギリス語法の歴史で説明する:prevent 目的語 from 動詞-ingとその同義構文におけるfromの使用・不使用」と題する壮大な口頭発表を行った。1250年-2000年のイギリス英語と1750年-2000年のアメリカ英語〔欧米の大学・機関のホームページからダウンロードしたイギリス英語史料328点、同アメリカ英語史料410点、ARCHER 3.2、OUPから出版された115冊の日記・書簡史料の電子版、Helsinki Corpus、ARCHER 3.2、OED2 on CD-ROM、LOB、FLOB、Brown、Frown、BNC等〕のみならず、現代オーストラリア英語、現代インド英語をも網羅的に分析し、prevent/stop/save/etc. NP from Verb-ing構文のfromが、イギリス英語とは異なりアメリカ英語で保持されている理由を解明した。大規模かつ精密な研究発表に対し、司会者からも聴衆からも高い評価を受けた。 ② 第19回国際形態論学会(2020年2月、於ウィーン経済大学)からも題目「邦訳 アメリカ英語において he doesn't know語法の確立が20世紀半ばまでずれ込んだ理由」に対し許可通知が届いたが、ポスター展示発表であった。国際会議の審査に通ったことは名誉ではあるが、私は口頭発表へのこだわりが強いため、丁重に辞退した。 ③ 年度末に、第53回ヨーロッパ学会(2020年8月、於ルーマニア ブカレスト大学)からも「序数詞の歴史:one and twentiethからtwenty-firstへ」に対し口頭発表許可通知が届いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際会議で結果を口頭発表するために期間延長をした。おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスのために、ヨーロッパの国際会議は、当面閉鎖されているかウェブコンファレンスの形に変わっている。私は、あくまで対面式の国際会議口頭発表にこだわりたい。質疑応答時間や休憩時間に、直に、生の反応を得ることができるからである。したがって、「研究実績の概要」の②をしかるべき欧米の国際会議で達成したあと、単著『邦訳 否定辞縮約形の確立と関連構文の発達の相関:(特に付加疑問文に焦点を当てて)』(仮題)を刊行したい。否定辞縮約形に関する研究を継続し、さらなる国際会議口頭発表を重ねながら。それを以って、本研究課題「近代英語における統語変化―総括」から、2020年4月より始まる4年計画の新規採択課題「1つの言語、2つの語法―イギリス英語とアメリカ英語の相違の謎を移民の歴史で紐解く」に研究の中心を移行する。
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Causes of Carryover |
「研究実績の概要」の②に述べたように、ポスター展示発表であるとはいえ国際会議の審査に通ったことは名誉ではある。しかし、私は口頭発表へのこだわりが強く、次年度にその機会を得て助成金を執行したいと考えたため、科研費(基金)延長承認申請を認可いただいた。
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Research Products
(2 results)