2018 Fiscal Year Annual Research Report
An Investigation of Finiteness-head
Project/Area Number |
16K02785
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
赤楚 治之 名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (40212401)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | finiteness / 名詞性 / 主語要件 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度(平成30年度)の研究では、記述的観点からのfinitenessとして取り上げられてきた「の」や、句構造における直近のFocusやTenseとの関係からfinitenessを捉えるというアプローチではなく、この機能範疇の持つ名詞性を考察することで、Finitenessの特性に迫ることを試みた。具体的には、ヨーロッパ言語におけるFin主要部が持つ名詞性の研究(Rizzi (2006) など)を日本語にあてはめたEndo(2007)を取り上げ、Fin主要部に名詞性がある証拠として取り上げた日本語のデータ((ある種の)終助詞付加による否定のスコープの変化)は、Fin主要部の名詞性を持ち出さなくとも、日本語のガ格主語が終助詞の付加による情報構造的な影響で否定のスコープ内に留まることで説明できることを明らかにした。その成果は、同志社大学英文学会が出している『主流 80号』に、「Finiteness と Fin 主要部の名詞性を巡って」として掲載された。 さらに、昨年度(平成29年度)のFinitenessの炙り出しの際に、浮かび上がってきた数量詞遊離とPhaseとの関係に関する研究を進め、2018年6月にはパリ(フランス)のXXXIèmes Journées de Linguistique d’Asie Orientaleで発表し、さらに、それを文法性判断という観点から発展させたものをバルセロナ(スペイン)のWorkshop on Acceptability Judgments in Current Linguistic Theoryで発表した。また、本科研費の初年度(平成28年度)に行った口頭発表(共同研究)をもとにした論文(共著)が、Anna Bloch-rozmej とAnna Bondaruk が編集したStudies in Formal Linguistics. Universal Patterns and Language Specific Parameters がベルリンのPeter Lang社から第1章として出版された。
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