2016 Fiscal Year Research-status Report
英語の同族目的語構文と結果構文に生じる非能格動詞の他動化に関する実証的研究
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16K02787
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
大庭 幸男 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (90108259)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 同族目的語構文 / 同族目的語 / 非能格動詞 / 非対格動詞 / 他動詞 / 副詞 / 他動性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は以下の二つを目的としている。(1)非能格動詞を伴う同族目的語構文と結果構文の事例を電子化された言語データなどを用いて収集し、動詞ごとの使用頻度調査と文型パターンの分類を行い、基礎データを構築すること。(2)この基礎データと他動詞の目的語の統語的特徴((i) 受身の主語になれること、(ii) 代名詞になれること、(iii)what did you see のようなwh 疑問文化が可能であること、(iv)wh 島の制約に違反できる可能性があることなど)を照合し、非能格動詞がこの統語的特徴をどれくらい持っているかについて調査し、非能格動詞ごとの他動詞化の度合いを明らかにすること。 平成28年度(初年度)は、まず、非能格動詞を伴う同族目的語構文をBritish National Corpus (BNC)、Corpus of Contemporary American English (COCA)、Corpus of Historical American English (COHA)などの電子化された言語資料を検索し、事例を収集した。次に、言語学関係のMacfarland, Talke (1995)、Tenny, Carol L. (1994)、Travis, Lisa D. (2012)、Zubizarreta, Maria-Luisa (1987)などの著書を精読し、事例を収集した。さらに、Jones, Michael Allen (1988)、Massam, Diane (1990)などの論文を読み、事例を収集した。 その後、これらの事例を動詞ごとに使用頻度を調査し、文型パターンを分類した。これによって同族目的語構文の基礎データが概ね完成したので、初年度の目標はほぼ達成したと考えられる。この結果は最終年度の分析に活かされるので、その意義は大きい思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は上記のような目標を設定し、初年度の目標を概ね到達している。なお、著書、論文などでさらに読んだ方が良いと思われるものが若干あるので、今後それらを精読し、動詞ごとに使用頻度を調査し、文型パターンを分類する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、非能格動詞を伴う結果構文をBritish National Corpus(BNC)、Corpus of Contemporary American English (COCA)、Corpus of Historical American English(COHA)、TIME Magazine Corpus、Strathy Corpus (Canada)、Hansard Corpus (イギリスの議会) などの電子化された言語資料を検索し、事例を収集する予定である。 次に、言語学関係の著書・論文、例えば、Boas, Hans C. (2003)、Bowers, John (1997) 、Carrier, Jill and Janet H. Randall (1992) 、“Fong, Sandiway, Christiane Fellbaum, and David Lebeaux (2001) 、Goldberg, Adele (1995) 、Hoekstra, Teun (1988)、Levin, Beth and Malka Rappaport Hovav (1995) 、Rappaport Hovav, Malka and Beth Levin (2001) 、Rothstein, Susan (1985) などを精読し、事例を収集する予定である。 その後、動詞ごとに使用頻度を調査し、文型パターンを分類する。
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Causes of Carryover |
次年度使用金額が生じた理由は、当該年度の費目別収支状況に示したように、旅費と謝金の支出が0円となったことによる。謝金については、言語データの収集と分類は自分自身で行なったので、予定していた謝金を支出する必要がなかった。また、旅費については、大学の個人研究費を用いて出張したために、予定していた旅費を支出する必要がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用金額が186,671円であるので、当初の費目別支出費に、物品費として約100,000円を加算し、著書、機器などを購入する予定である。また、旅費についても約86,000円を加算し、学会出張などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)