2016 Fiscal Year Research-status Report
身体表現における英語表現史:英米文学作品をコーパスとして
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16K02788
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
高口 圭轉 安田女子大学, 文学部, 教授 (50195658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正広 熊本学園大学, 外国語学部, 教授 (20238778)
竹下 裕俊 尚絅大学, 文化言語学部, 教授 (20236459)
冨村 憲貴 呉工業高等専門学校, 人文社会系分野, 准教授 (40595980)
渡辺 拓人 熊本学園大学, 外国語学部, 講師 (00734477)
福田 佳奈子 都城工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (80722339) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 身体表現 / 通時的研究 / 文体論 / コーパス言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、目(eyes)、手 (hand)、顔 (face)、頭 (head)、足 (foot)、脚 (leg)、腕 (arm)などの身体に関する表現や、表情、仕草、行動など身体の動きの描写が、どのような文学的な意味や役割があるのかを考察し、作家や時代によって、どのような類似点と相違点があるかを通時的な視点から研究し、英語表現史としての身体表現の本質と時代的な変化を探ることである。本研究の特徴は2つある。1つ目は、14世紀から19世紀までの英米文学上の主要な作家である、Chaucer、Shakespeare、Austen、Dickensなど、さらにはアメリカ文学を専門とする研究者による協働研究の試みである。2つ目の特徴は、文学作品の読みを中心に据えながら、用例の収集や分析にはコンピュータを活用し、コンコーダンサー等のソフトウェアを利用した研究である。 平成28年度は,研究代表者・研究分担者・研究協力者それぞれが担当する文学者や作品を決めて、「目と視線」の描写と「身体の動き(とくに、手の動き)」に注目して、用例を収集した。分析に際しては、AntConcなどのコンコーダンスソフトや英文学作品のコーパスなどを利用した。また、定期的に発表会及び打合せを行い、一貫した分析方法が維持されるように配慮した。発表会では、国内外の論文や書籍から得た知見を紹介するとともに、各人の研究成果を報告し、各研究者の担当分野に特徴的な表現が、他の対象分野ではどのように用いられているのかなどを比較検討することができた。 研究成果は、各人が学会やジャーナルで発表しただけでなく、研究代表者,研究分担者2名、研究協力者1名で、本研究に関わるシンポジウムを開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、平成28年8月と平成29年1月に、計2回発表会・研究会を開催することができた。その研究会では、各人が担当する文学者や作品に見られる身体表現の用例を紹介するとともに、全員でそれぞれの研究発表に対してコメントをつけ、批評し合うことができた。それによって、各人の研究の問題点の洗い出し、その解決法の模索・提案、新たな視点からの再分析などを行うことができたように思われる。 研究成果は、研究代表者・研究分担者・研究協力者各人が学会やジャーナル,書籍等で発表している。平成29年3月25日(土)、福岡女子大学で開催された英語史研究会第27回大会においては、研究代表者(高口)、研究分担者(堀、渡辺)と研究協力者(池田)によって、「英米文学におけるbody language:歴史的文体論の視点から」というシンポジウムを開催し、協働研究としての本研究課題の意義の一端を示すことができたように思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も定期的に発表会・研究会や打合せ会を開催し、それぞれの研究内容の要旨を発表し、対等の立場で議論する。本研究は、協働研究という研究手法を取るものであるので、頻繁な議論および互いに学び合うという研究姿勢を維持していく。発表会では、研究代表者および研究分担者5名、研究協力者3名、計8名全員が発表を行い、それぞれの発表に対してコメントをつけ、批評し合う。こうすることによって、各人の研究の問題点の洗い出し、その解決法の模索・提案、新たな視点からの再分析などを行っていく。研究者が対等に意見を交わし、各研究者の担当分野に特徴的な表現が、他の対象分野ではどのように用いられているのかなどを比較検討することによって、英米文学作品における包括的で通時的な身体表現の研究を行うことができるであろう。 このような発表会・研究会での議論や得られた知見を踏まえて、今後も各自が所属する国内外の学会やジャーナルおいて、本研究課題についての発表を引き続き行っていく。
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Causes of Carryover |
本研究課題の採択が通知されたのが,平成28年10月末であり、当該年度で予定していた研究書の購入や旅費等の支出を十分に行うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度助成金の残額と平成29年度助成金を合わせて、身体表現に関する研究書の購入費や関連する学会に参加するための旅費、さらに協働研究の効果を高めるため、発表会及び打合せを行うので、そのための旅費として使用する。
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