2017 Fiscal Year Research-status Report
対話の文体分析と英米演劇テクストの精緻化コーパスの作成
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16K02789
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Research Institution | Kyoto Seibo College |
Principal Investigator |
能勢 卓 京都聖母女学院短期大学, 児童教育学科, 准教授 (70626837)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | セリフの文体分析 / コーパス言語学 / 英米演劇 / 電子化テクストの作成 / 談話情報付加コーパス / マニュスクリプト研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の前期は勤務校の教育活動や公務が多忙を極め研究活動に十分な時間を確保できずにいたが、現在の科研研究の成果の一端である「Ah, Wilderness!の台詞の文体分析:喜劇性と人物像」を日本英語表現学会の全国大会(於, 大阪電気通信大学)で発表できたのは、本研究にとって重要な意味があった。この研究発表において現在作成をしているコーパスを用いた各登場人物の台詞のn-gram解析から作り出したkeyword listを基に特徴語を抽出し、その上で特徴語とそのコロケーション語に関して分析を加える。これらの文体的特徴の分析を通して、Ah, Wilderness!の喜劇性の表出に寄与していると考えられる出来事や対話の展開と登場人物の人物描写について考察することにより、構築中のコーパスの談話情報の付加作業の方針の妥当性を確認できた。 その上で平成29年の後期において、アルバイトの助手の協力を得ながらO’Neillコーパスのセリフの談話情報(SpeakerやHearerのsocial statusや両社のrelationなど)を確認し、それぞれの情報をまずはエクセル上に記入する作業を行い。その上でOxygenを用いて、コーパスに談話情報をマークアップをしていく作業を開始する。Oxygenでのマークアップ作業においては、元のエクセルの談話情報における表現の齟齬や各種の問題をあぶり出しつつ、それらの問題点を修正してマークアップ作業を行わなければならないので、予想よりも時間がかかってしまった。しかしこの一連の作業のおかげで、平成30年度に行うべき談話情報のマークアップ作業の基本的な方針を確定できたのは大きな収穫であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の前期は勤務校の教育活動や公務が多忙を極め研究活動に十分な時間を確保できずにいた。しかしこの時期において科研研究の成果の一端である「Ah, Wilderness!の台詞の文体分析:喜劇性と人物像」を日本英語表現学会の全国大会(於, 大阪電気通信大学)の研究発表において、現在作成をしているコーパスを用いた各登場人物の台詞のn-gram解析から作り出したkeyword listを基に特徴語を抽出し、その上で特徴語とそのコロケーション語に関して分析手法の妥当性を確認できたのは、意味のあることであった。時間を要したのは事実であるが、この研究発表での手法を修正しつつ、構築中のコーパスの談話情報の付加作業の方針を行うことができた。 また平成29年度の後期も教育活動と公務で時間を必要としたが、アルバイトの助手の協力を得ながらO’Neillコーパスのセリフの談話情報(SpeakerやHearerのsocial statusや両社のrelationなど)を確認し、それぞれの情報をまずはエクセル上に記入する作業を行い、その上でOxygenを用いて、コーパスに談話情報をマークアップをしていく作業を開始したが、Oxygenでのマークアップ作業においては、元のエクセルの談話情報における表現の齟齬や各種の問題をあぶり出しつつ、それらの問題点を修正してマークアップ作業を行わなければならないので、予想よりも時間がかかってしまった。しかしこの一連の作業のおかげで、平成30年度に行うべき談話情報のマークアップ作業の基本的な方針を確定できたのは大きな収穫であった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては、研究拠点を福岡女学院大学に移動することになったが、引き続きO’Neill作品のコーパスにセリフの談話情報(SpeakerやHearerのsocial statusや両社のrelationなど)を確認し、それぞれの情報をまずはエクセル上に記入する作業を行い、その上でOxygenを用いて、コーパスに談話情報をマークアップをしていく作業を継続していく。具体的は、O’Neillの全作品のコーパスの談話情報の確認を今年度前半に終わらせてしまい、またOxygenでのマークアップ作業に関しても、後期において全作品の完成を目指して作業を進めていく。 また本年度から対照コーパスであるMaughamのコーパスの基礎データを完成させ、その上で、セリフの談話情報の付加作業の検討と試験的実施を行う。
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Causes of Carryover |
計画的に科研の予算を使用してきたが、年度の最後の時期の作業の一部が次年度に持ち越すこととなり、平成29年度の直接予算の3万円ほどが次年度予算に繰り越すこととなった。今後はさらに計画的に予算を執行していくことに心がけたい。
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Research Products
(2 results)