2017 Fiscal Year Research-status Report
中上級学習者のための日本語読み書き支援システム構築に関する研究
Project/Area Number |
16K02794
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
李 在鎬 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (20450695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 陽一郎 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (90353135)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 読み書き支援 / 自立学習支援 / 作文 / 自然言語処理技術の教育的応用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本語学習者の読み書きを支援する目的で2つのシステムを構築し、日本語教育の教育支援を行う。一つ目は読解授業を支援する「日本語文章難易度判別システム jReadability」であり、二つ目は作文執筆を支援する「日本語学習者作文評価システム jWriter」である。「日本語文章難易度判別システム」は文章の難易度をウェブブラウザを使って自動判定するもので、読解クラスの教育支援を行う目的で運用されるシステムである。本システムには入力文章の難易度を予測する回帰式が搭載されており,日本語教育以外の分野でも様々な方向で活用されている。利用状況は,https://jreadability.net/ja/bibliographyにおいて公開している。「日本語学習者作文評価システム 」は「日本語文章難易度判別システム」を学習者作文に応用したものである。「日本語学習者作文評価システム 」は学習者の作文の熟達度を自動判定するシステムで、自立学習を支援するためのものである。 本年度の研究活動の成果として、2点があげられる。1)両システムが機能面で完成していること、2)日本語教育学会などでの広報や日本語教育関係者を対象とするワークショップを複数回、開催してきたこと。1)として、「日本語文章難易度判別システム」は「https://jreadability.net/ja/」で利用可能な状態になっている。また、「日本語学習者作文評価システム」についても「https://jreadability.net/jwriter/」において利用可能になっている。2)として、「日本語文章難易度判別システム」をめぐっては、『文章を科学する』(ひつじ書房)を刊行し、研究成果の普及に努めた。また、「日本語文章難易度判別システム」を利用した応用研究を3件発表した。「日本語学習者作文評価システム」に関しても日本語教育学会のポスター発表を通してシステムの概要を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書において計画していた2つのシステムが完成していること。システムの存在を日本語教育関係者に知らせるための広報活動を複数回行ってきていることから、順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
システムの利活用を促進するため、ワークショップを行う。4月時点で決定している今年度の予定として、7月8日に南山大学において中部地方の関係者に対して、科研費の成果物を紹介するワークショップを行う予定である。また、8月7日にスイスのチューリッヒ大学においてドイツ語圏日本語教育関係者に対して、科研費の成果物を紹介するワークショップを行う予定である。学会広報として、8月3日ベネチアの日本語教育国際大会において「日本語学習者作文評価システム jWriter」を利用した研究事例を紹介する予定である。そして、「日本語学習者作文評価システム jWriter」の妥当性評価に対する人手実験を行う予定である。 9月以降も継続して国内外の日本語教育関係者に向けての広報活動を行う予定である。
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Causes of Carryover |
ワークショップ実施のための旅費として使用する
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