2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Development of an Instructional Book on Paraphrasing in Japanese as a Second Language: Theory, Practice, and Application
Project/Area Number |
16K02796
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鎌田 美千子 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (40372346)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | パラフレーズ / 言い換え / リライト / 教授法 / ピア・レスポンス / 四技能 / 指導書 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2019年度は、主に以下の三つに取り組んだ。 第一に、協働学習の一つであるピア・レスポンスのディスカッションとライティングに見られるパラフレーズを分析した結果から、ピア・レスポンスが各自の推敲に生かされる上で重要なことは、書き手の内省的な思考に基づくパラフレーズであることが明らかになった(発表『2019年度日本語教育学会春季大会予稿集』pp.64-66、著書『どうすれば論文・レポートが書けるようになるか―学習者から学ぶピア・レスポンス授業の科学―』pp.49-71)。 第二に、教科書リライトにおけるパラフレーズ方法として、中国語を母語とする児童を対象にした際の漢字の扱いについて考察した。日本の小学校国語科教科書の主要な12単元に使用された漢語365語を対象に、各語を構成する漢字の配当学年(日中別)、字形の違い、同義の中国語、主要な日本語教科書での扱いを調べた上で、小学校教員や日本語支援員が活用できる日中漢語対応表を作成し、この一部を本指導書に掲載した。この対応表により、教科書リライトで言い換えずに使用できる漢語が明らかになり、中国語を母語とする児童の既習漢字を活かしたリライトが可能となった。 第三に、4年間の研究を総括して、指導書『パラフレーズから考える日本語教授法』を刊行した。完成に向けて試作版を作成した後、他大学の教員3名に専門的及び評価的観点から意見を求め、更に改善を図った。 その他に、本研究の成果の一部を一般社団法人ふくしま多言語フォーラム「外国人散在地域(東北地方・福島県)における外国人児童生徒等に対する日本語教師初任者研修カリキュラム開発事業」の講座(2019年9月22日)及び第1回栃木日本語教育ネットワークでの講演「第二言語習得とパラフレーズ―四技能との関係―」(2020年1月13日)で報告した。
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Research Products
(6 results)