2016 Fiscal Year Research-status Report
高等教育機関で学ぶ留学生に対する日本語教育シラバスの再構築
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16K02804
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
合田 陽子 (太田陽子) 一橋大学, 国際教育センター, 准教授 (20373037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中石 ゆうこ 県立広島大学, 総合教育センター, 助教 (20535885)
庵 功雄 一橋大学, 国際教育センター, 教授 (70283702)
奥野 由紀子 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (80361880)
高橋 紗弥子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (80646810)
永谷 直子 相模女子大学, 学芸学部, 講師 (80760454)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 文法シラバス / 中級レベル / 学習デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
高等教育機関で学ぶ留学生のための中級レベルの日本語教育シラバス構築に向けて、(1)データに基づき厳選した文法項目に基づく文法シラバスの構築、および、(2)その文法シラバスと「読む・聞く・話す・書く」の各技能との関連付け、の2点を目指し、今年度は、各種コーパス、特に、庵(2015)で不足していたと思われる「話す・聞く」に関するコーパスと、日常的な「書く」に関するコーパスのデータを加え、出現頻度を中心に分析と検討を行った。その結果、庵(2015)で提案されたStep1~6に対して、新たに加えるべき項目、および、削除可能な項目の候補を整備することができた。また、それぞれの出現数の偏りから、「読む・聞く・話す・書く」の4技能に特徴的に表れる項目も抽出することができた。現在は、データの精査とともに、これらのデータに基づき、各技能別の中級から上級への段階的な上達の過程のデザインに取り組み始めたところである。 このように、データに基づいて学習項目を絞り込みつつ、技能的・内容的には徐々にアカデミックな自己表現へと近づく道筋を示すことにより、留学中に専門課程と両立しつつ学ぶという時間的制約の多い留学生に対して、質の高いアカデミックな学びを実感できる理想的な日本語学習シラバスを提案することができるのではないかと考えている。 <引用文献>庵功雄(2015)「日本語学的知見から見た中上級シラバス」庵功雄・山内博之編『データに基づく文法シラバス』くろしお出版
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開始当初は、話しことばに関するコーパスを文字データとして分析していく問題点が多く計画通りには進まないことがあったが、手法を確立してからは概ね順調にデータ分析が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、明らかになった出現頻度や特徴項目などのデータに基づき、リスト上の各表現が留学生にとって、どのような「話す・聞く・読む・書く」の各行動と関わるのかを考察し、初級から上級への上達の過程をCan-doリストの形で明示化することに取り組む. 具体的には、29年度前半には、各技能班ごとに、初級から上級までに一貫する言語行動の枠組み(例:自分を語る、他者との交渉、情報の取得など)の柱を設定し、個々のレベルごとに到達目標を定め、言語技能の上達モデルを策定する。29年度後半には、そのモデルに基づき、技能間での調整を図りつつ、必要となる文法項目との対応を考え、シラバスを確定していく予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定だったコーパスのうち、使用期間との兼ね合いで代表者の個人研究費と折半して支払いを行ったものがあるなど支出計画に多少の変更があったことと、研究計画上、分担者1名の分担金使用が次年度に持ち越されることになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者への分担金は、当該分担者への分担金として、次年度への持ち越しとする。それ以外のものについては、次年度計画ではさらに支出が予定される書籍費、または、人件費に補てんして使用したいと考えている。
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