2018 Fiscal Year Annual Research Report
Reconstructing Japanese-Language Education Syllabus for Study-Abroad Students at Institutions of Higher Education
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16K02804
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
合田 陽子 (太田陽子) 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 准教授 (20373037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中石 ゆうこ 県立広島大学, 総合教育センター, 助教 (20535885)
庵 功雄 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 教授 (70283702)
奥野 由紀子 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (80361880)
高橋 紗弥子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (80646810) [Withdrawn]
永谷 直子 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (80760454)
二宮 理佳 中央大学, 商学部, 教授 (80584060)
澁川 晶 国際基督教大学, 教養学部, インストラクター (60322327)
宮部 真由美 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, プロジェクトPDフェロー (60823383)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 学習体系 / 文法シラバス / 技能別特徴項目 / アカデミック・ジャパニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
国内の大学・大学院で学ぶ留学生のための新しい日本語学習体系の構築を目指し、以下3点に関する調査と検討を行った。 1)学習すべき文法項目の選択のための調査:書きことばから学習項目を絞って提案した庵(2015)について、主に話しことばの面から見直し、学習項目の絞り込みと学習上の扱いに軽重をつけるため、各項目について、①出現頻度、②「聞く・話す・読む・書く」の各技能に特徴的に表れる表現、③技能に偏りなく総合的に使用される表現を、8種類のコーパスを利用して調査した。 2)各文法項目のレベル設定:1)の調査結果に基づき、各文法項目を初級~上級まで6段階(初級2段階、中級2段階、上級2段階)に配置した。短時間での学習を念頭に置き、各段階30項目程度に絞り込み、全体として184項目を必須学習項目とした。 3)レベル設定された文法項目と技能別の言語行動の関連付け:それぞれの文法項目が各レベルのどのような言語行動(例:自己紹介、研究について話す、情報を集めるetc.)と結びつけて学ばれていくか、試案を作成した。 出現頻度と技能別特徴項目をもとに、双方向の口頭による日常的なコミュニケーションから、徐々に、専門書を読み・レポートを書くなどの書きことばを用いた文字によるアカデミックな活動へと続く段階的な学習体系を、言語表現面(文法シラバス)と言語行動面(can-do)の両面からデザインすることを試みた。このように学習項目を絞り込みつつ、アカデミックな自己表現力の向上を具体化した道すじを示すことにより、近年、増加している短期交換留学生や英語トラックの学習者のような、時間的に制約の多い学習者に対しても、短期間でも実践的に日本語力の向上を実感できる学習シラバスの一提案を行えたのではないかと考える。 <引用文献>庵功雄(2015)「日本語学的知見から見た中上級シラバス」『データにもとづく文法シラバス』くろしお出版
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Research Products
(2 results)