2017 Fiscal Year Research-status Report
モバイル端末に対応した日本語学習者のためのコロケーション検索システムの開発と試行
Project/Area Number |
16K02813
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中溝 朋子 山口大学, 大学教育機構, 准教授 (70305217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 美恵子 大分大学, 国際教育研究センター, 教授 (60288868)
金森 由美 大分大学, 国際教育研究センター, 講師 (80264323)
大岩 幸太郎 大分大学, 教育学部, 名誉教授 (90223726)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 日本語中上級 / モバイル端末 / コロケーション / 検索システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、基盤研究(c)(課題番号25370951)で開発した中上級日本語学習者のためのコロケーション検索システム(PC版)を基にモバイル端末に対応する新たなシステムを開発し、いくつかの機能の拡張、豊富な例文や翻訳の掲載、試行によるフィードバックの反映などを通じて日本語学習者にとってより有益な検索システムを構築することを目的としている。28年度にはタブレット対応版とスマートホン対応版を作成、タブレット版の試用を実施し学習者フィードバックによる改修を実施したが、29年度には、主に以下の3点を実施した。 1.スマートホン版の試行と改修:7月に代表者、および共同研究者の大学において試行を行い(約55名)、使用後のアンケート調査を行った。そのフィードバックを受けて画面のページの構成やデザインの改修を実施した。 2.機能動詞について:本検索システムでは村木(1991)の機能動詞の考えを参考に動詞が文法的意味を表すコロケーションに色を用いて表示することで類義の動詞が視覚的にわかりやすくしたところにひとつの特徴があるが、フィードバックでは表示や意味のわかりにくさが多く言及されていた。これらを踏まえ29年度には機能動詞の表示の改修、説明の表示、データの追加を行った。 3.見出し語の追加、コロケーションの翻訳、例文の追加:28年度までは、旧JLPT1級、および2級の名詞のみ検索可能であったが、「学習指標値10(徳弘2006)」の名詞(固有名詞、親族呼称などを除く約300語、12,300コロケーション)、さらに(学習指標値は漢語のみに付与されているため)カタカナ語(BCCWJの頻度上位)300語、約7,200コロケーション)をデータ化した。さらにこれらについて例文約1,100文の追加、中国語や韓国語への翻訳、特に28年度には進まなかった英語についても翻訳を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
29年度は、学習者のフィードバックに基づき、予算の許す範囲で改修を実施することができたが、見出し語やコロケーション、例文や翻訳の追加については、目標に比べ不十分である。特に機能動詞、および動詞の意味についての研究・説明はさらに充実させる必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
30年度は最終年度であり、29年度の改修を受けた試行の実施と改修も実施するが、特にコンテンツの充実(見出し語や例文・翻訳の充実、機能動詞を含む動詞についての分析と学習者向け解説の充実)を重視し、成果の公表に努めたい。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当初予定していた学会発表に1名が不参加となったためである。次年度は可能な限り予定の調整を行っていく予定である。
|
Research Products
(3 results)