2017 Fiscal Year Research-status Report
日本語教員養成と日本語学習者のため双方向学習プログラムの研究
Project/Area Number |
16K02832
|
Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
安原 順子 神戸女子大学, 文学部, 教授 (40309430)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ICT / 双方向授業 / 遠隔授業 / reflective journal / eポートフォリオ / 自律学習 / 学習者オートノミー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、eポートフォリオの活用により、パソコンやスマートフォンを使用したオンライン上の双方向授業を中心に、日本語教員養成と日本語学習に資する授業プログラムを構築することにある。reflective journal(学習ダイアリー)を使用する双方向授業を生かし、海外の大学(ニュージーランド オークランド工科大学)との間で日本語教員養成と日本語学習に資する双方向授業を実施し、さらに、eポートフォリオに学生が提出したreflective journalや教案を質的に分析することで、その有効性を明らかにした。 異文化間コミュニケーションの一形態である外国文化・外国人との接触は、一方向的なものではなく双方向的でなければならない。日本語教育・日本語学習において、双方向に有益となる学習プログラムは、今後、遠隔授業の一形態としても必要とされるものである。 1.国内外の日本語教育機関間の交流形態を調査した。2.文字を使用する双方向授業、音声を使用する双方向授業を中心に、AUT(オークランド工科大学)研究者とともに学習プログラムモデルの試案を作成し、実施した。3.学習者のreflective journal、指導案、レポートを、その他の資料とともにeポートフォリオ化して保存し、質的に分析した。4.AUT研究者と協力して、双方向からの視点で分析を行った。5.プログラム有効性について検証し、さらに改良を加え、構築したeポートフォリオを活用した双方向学習プログラムが他の機関での授業モデルとなるように研究を進めている。平成29年度は、特に「学生の気づき」を重視した「学習者オートノミー」「自律学習」について考察を深めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、当初の計画通りに2年目のプログラムを終了した。現在は、eポートフォリオの分析と最終年度に向けたプログラムを実施するべく準備を進めているところである。最終年度である平成30年度は、特に、課題の研究を推進するために、新しく「学生の気づき」を重視した「学習者オートノミー」「自律学習」についても考察を深める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、3年間を一区切りとした研究内容を総まとめをする年度である。研究期間内に、以下の2点を明らかにし、研究結果をまとめることとする。 (1) 日本語教員養成と日本語学習者のため双方向学習プログラムモデルの構築と検証を行う。神戸女子大学学生は、双方向授業などを通し外国人の書いた日本語を読んだり、話した日本語を聞いたりすることや、実際に外国人への日本語指導を通して得た知識や指導力を、eポートフォリオの提出物から振り返る。AUT学生は、日本人学生と接して、日本語学習に対する学習姿勢にはどのように変化があったかを考える。(2)双方のreflective journalを質的に分析した結果から考察した学習効果の検証を行う。 eポートフォリオの対象となる授業1と参加予定学生は、神戸女子大学約10名(日本人学生および留学生 )と AUT学生約10 名である。授業内容は、双方向授業としてAUTonlineを使用して実施する。双方向授業のテーマは、「ソトから見た日本人、ウチから見た日本」「海外長期滞在と移住」などである。まず、AUTと神戸女子大学生で4人のグループを作り、グループごとに一つのブログを用意する。実際には、次のような授業を実施する。a.ブログ使用の授業: 文字を使用する双方向授業 b.スカイプ使用の授業: 音声を使用する双方向授業 さらに、対象となる授業2として日本語模擬実習、日本語チューターを実施する。授業内容は、日本語指導の実践としてeポートフォリオを通して日本語実習の指導を行い、教育実習案、教材、reflective journalなどをeポートフォリオに提出するものである。さらに、総合的なプログラムの構築を目的に、授業外の外国人学習者への日本語チューター実施などからも学生の「気づき」を得る。
|