2016 Fiscal Year Research-status Report
英語を英語で教えることのできる教員養成のための実践プログラムの構築
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16K02840
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
早瀬 博範 佐賀大学, 教育学部, 教授 (70173052)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英語による授業 / 教員養成 / 4技能の統合 / 教員研修 / 教材開発能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学での教員養成カリキュラムの中で、英語で授業ができ、児童生徒の英語コミュニケーション能力を育成できるスキルを持った教員を輩出するための実践的な授業プログラムを構築・実施することを目的としている。本年度は以下の項目を実施した。 1)研究体制の構築:本学教員、協力高校、付属教員、文部科学省、さらにはアメリカスリパリロック大学と協力できる体制を構築した。今回は特に本学において「英語教育に関するフォーラム」を開催することで、本件研究の課題についても意見交換できる機会を設け、研究体制づくりの強化を図ることを計画した。 2)「英語を英語で指導する」のに必要な技能の洗い出し:英語を英語で指導するために本研究では、1)facilitatorとしてinteractiveな授業展開ができる英語力の養成:英語力の強化に合わせて小学校から高校までの各学年に応じた英語での指導力 2)教材開発能力の育成:教科書を土台にしてコミュニケーション活動をより活発にできる教材を開発できる能力 3)コミュニケーションの観点による評価方法の習得:4技能をバランス良く評価するシステムの構築 4)グローバルな視点の育成:異文化体験の機会、国際的な課題などに関する内容を授業の内容として取り入れる手段と4つを想定しているが、果たしてこの4つの観点でよいか理論的な点からの検討を加え、考察検証を行った。 3)授業のシラバスの作成:上記のスキルを養成できるように、スリパリロック大学での英語教員研修プログラムなどを参考にして教員養成系の英語の授業のシラバスにおいて具体化させ、実施する準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)研究体制の構築に関して:本学教員、協力高校、付属教員、文部科学省、さらにはアメリカスリパリロック大学と常に協力できる体制を構築できた。本学教員からは学生の英語力の現状、協力高校や付属学校からは英語を使った指導における問題点の洗い出しを行った結果、英語を使って児童生徒のコミュニケーション力を育成することの難しさ が挙げられた。また、現在の学習指導要領の改訂を見据え、文部科学省の教科調査官を交え、本学において今後の英語教育の方向性と課題、指導要領の改訂の趣旨や展望について情報交換と協議を行った。異種学校の英語の教員、学生と有意義な意見交換ができた。さらにスリパリロック大学での英語教員特別カリキュラムについて実際的な情報を得ることができ、その内容や指導法は本学で授業を構築する上で具体的な事例として有益だった。また、国内の複数の学会における事例発表などに関しても情報を入手できた。 2)「英語を英語で指導する」のに必要な技能の洗い出し:これからの英語教員として必要な技術として4点を挙げているが、多くの先行研究及び現場の実態をふまえ、さらに新学習指導要領の趣旨を踏まえ、その4点の有効性がいかに重要な課題であるかを確認でき、具体的に育成の方法について研究を進めている。 3)上記のことを踏まえ、部分的に教員養成のための授業のシラバスに落とし込み、授業に反映させる準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた理論的検証及び実態を踏まえながら、今年度作成したシラバスによる授業実践を行いながら、以下のような検証を行う予定である。 1)前年度に編成したシラバスに従っての授業を実施しする。シラバスの検証をする際に、学生の意見や要望も入れながら、より良いものに改善を図る。 2)コミュニケーションの観点による評価方法の試み 3)附属中学、附属小学校、協力高校において、受講学生による3回の実習を行い、現場の教員の意見を入れながら、検証し、シラバスや指導法の改善を行う。さらに海外の協力校との意見交換海外で行われている事例の中で、カリキュラムとして取り入れられるものを検証する。
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Research Products
(4 results)