2018 Fiscal Year Research-status Report
複数の離島小学校と海外多民族学級をICTで結んだ新教育地域における新規的英語教育
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16K02841
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松元 浩一 長崎大学, 教育学部, 教授 (20219497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 典生 長崎大学, 教育学部, 教授 (70285758)
鈴木 章能 長崎大学, 教育学部, 教授 (70350733)
倉田 伸 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80713205)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ICT / 離島 / 英語教育 / 複式学級 / 異文化教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに日本の離島の小学校同士をiPadで繋いだ英語での交流授業を2回行ったが、本年度は長崎県五島市の小学校とハワイ島の小学校(ともに5年生)をスカイプで結び、英語での交流授業を行った。交流授業の実践日は2019年2月22日であった。授業内容は、五島市の小学校が用いているHi, friends! 1のLesson 7 "What's this?"を基にし、自分の地域の文化を双方に伝え合い、質疑応答をすることとした。授業では互いの学校で児童がほぼ等身大で映し出されるスクリーンを使って、あたかも同じ空間で授業をしているように感じられる工夫を行った。授業案は、1)挨拶、2)双方4つのグループに分かれ、写真を見せながら文化の紹介を行い、質問を受けて答えることとした。 授業当日まで、授業案について入念な計画を立て、それをハワイと五島の小学校の両担任に伝え、各小学校で、声の明晰さ、話すスピードなどに気をつけてさらに準備をしてもらった。授業当日は、両小学校の担任教員に、児童たちがコミュニケーションに困ったら、支援してもらうことをお願いした。 授業は比較的スムースに実践できた。両小学校の児童に授業後行ったアンケート調査(自由書式)でも、ほとんどの児童が再び交流授業を行いたいと回答した。英語学習に更に力を入れたいと述べる五島の児童も多く、モチベーションを上げる結果にもなった。ハワイの児童も初めての日本の小学校との交流で、文化的差異や類似性に強い興味を示した。肝心の英語については、当初、英語によるコミュニケーションが成立するのかといった懸念があったが、予想以上に理解し合っていた。こうした結果となった最も大きな要因として考えられるのは教師の役割である。授業内容を制御し児童を支援すれば、英語のネイティブスピーカーの小学生と日本の小学生との間で英語による交流授業が不可能ではないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度から、交流授業を予定していた中国の小学校が相次いで実施直前になって取りやめになり、中国のかわりにハワイの小学校との交流授業を実施したため、また研究代表者が学部長、研究分担者の一人が副学長となり、業務多忙のために遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の交流授業を通して、一点課題が残った。国内の離島の小学校同士で行った交流授業では問題がなかったが、ハワイと五島を結んだ今回の交流授業ではソフトウェアが不安定なことがあった。今後、国内外の三校以上の小学校を同時に結ぶ場合は、さらなる回線の不安定さが懸念される。こうなると、サイバースペース上の教育の場の構築が難しくなる。この課題を克服する工夫として、回線が比較的安定しているZoom等のソフトウエアを用いるのが一案であろうと考えている。 このことを踏まえて、本年度はZoomなどのソフトウエアを用いて、三校以上を結ぶ交流授業に対応するサイバースペース上の教育の場の確立方法を探究する。
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Causes of Carryover |
初年度から、交流授業を予定していた中国の小学校が相次いで実施直前になって取りやめになり、別の国の小学校を探すこととなったため、また研究代表者が学部長、研究分担者の一人が副学長となり、業務多忙のために遅れが生じ、当初行う予定であった中国の小学校との交流授業、及び交流授業の内容の検討が実施できなかった。使用計画としては、中国にかえてハワイの小学校と日本の複数の小学校との交流授業、及び課題となっている回線の安定化を図る工夫の探究、サイバースペース上の教育の場として最適な環境と方法の探究に用いる。
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Research Products
(7 results)