2019 Fiscal Year Research-status Report
内容言語統合型学習(CLIL)による高校生の英語力および国際的素養の育成
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16K02859
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
工藤 泰三 名古屋学院大学, 国際文化学部, 講師 (60734209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹島 茂 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (80301464)
佐藤 真久 東京都市大学, 環境学部, 教授 (00360800)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 内容言語統合型学習(CLIL) / 外国語教育 / 国際教育 / グローバル・シティズンシップ / 高次思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者および研究分担者は、前年度より引き続き、国際的素養・地球市民意識の涵養に資するCLIL英語授業の追求のための活動として、授業実践・研究、教材研究、学会・研究会における発表や情報交換、論文の執筆等に取り組んだ。 特に本研究で重視している授業実践・研究においては、計約2,700分に及ぶCLIL授業実践を行い、英語の客観テストによる英語運用能力の変化に加え、計約90名の受講者のコメントから高次思考の動き、さらにアンケート調査によって地球市民意識の変化について調査を行った。その結果、英語力の向上に加え、本研究におけるCLIL実践が受講者の高次思考を高めること、また地球市民意識については項目によって傾向の差異はあるものの、全般に向上することが示唆された。 本研究の活動の一環として行った全国規模の学会・研究会における口頭発表は4件、論文執筆1件であった。加えて、オーストラリア・メルボルンにおいてCLILプログラムを実施している公立小学校の視察を行うとともに、CLIL研究の世界的研究者の一人であるRussell Cross教授と面会しインタビューを行い、CLIL実践と学校システム、教員養成、保護者の意識、教育内容、評価の方法、CLIL教育による成果、今後の展開等について議論を行った。 本来は2019年度が本研究の最終年度であったが、CLIL実践の指導事例集の作成に十分な資料・成果を得るには至らなかったため、研究年限を1年延長させていただき、2020年度に指導事例集の編集・作成を行い、全国の教員のための授業リソースを提供したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた研究活動に加え、予定していなかった海外における調査活動の機会に恵まれるなど成果も大きかったが、最終成果としてまとめる予定であったCLIL実践の指導事例集の収集および共有のためのシステムの確立が不十分であり、2019年度が最終年度であった本研究の研究年限を1年延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに引き続き、これまで実施してきたCLIL授業の改善を含めた実践や、新たなCLIL授業実践の実施により、学習者の英語運用能力・高次思考・地球市民意識の変容についての資料収集を継続するとともに、本研究の最終成果として、多様なCLIL授業実践の指導事例集を構築し、さまざまな教育現場において現職の先生方が活用できるように公開する予定である。そのために、全国のCLIL実践・研究者との交流を深め、情報収集に努めていく。また、本研究では特に地球市民意識の涵養を主眼に置いているので、本研究の実践フィールドの一つとして協力をいただいている筑波大学附属坂戸高等学校の先生方・生徒たちにも引き続き協力を仰ぎながら、国際連合が2015年に策定した持続可能な開発目標(SDGs)を意識した教育プログラムの確立に向けた研究・教育実践を行っていく。
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Causes of Carryover |
2019年度内に実施を予定していたCLIL実践指導事例集の収集および公開システムの構築を、研究年限を1年延長し2020年度に行うこととしたため、その分の費用が未使用となっている。2020年度においては授業実践を通した資料収集に加え、指導事例集の構築に向けた情報収集活動、および広く教育現場の先生方に活用していただける公開システムの構築を、業者への依頼を含めて検討し実施する予定である。
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