2018 Fiscal Year Research-status Report
つながりを構築するプロジェクト授業がドイツ語初学者の学習意欲に及ぼす効果の研究
Project/Area Number |
16K02864
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田原 憲和 立命館大学, 法学部, 准教授 (80464593)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 公輔 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (90532648)
能登 慶和 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00765159)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | プロジェクト授業 / 外国語学習のめやす / 学習意欲 / 動機づけ理論 / つながりの構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主につながりの構築と学習意欲の関係の理論的解明を行った。それと並行し、過年度にこうした授業を受講し、高い学習意欲を持ったまま卒業をした元学習者に対するインタビューを行い、その分析を行った。こうした両面からの研究により、比較的短期的な目標に基づいて実施するプロジェクト授業は、その目標そのものに手が届きやすいということ、目標を達成することによる充足感を味わうことができることが学習意欲の維持、向上に重要な役割を担っていることが明らかになる。一部の学習者には、やらされている感の強い外発的動機づけに基づく学習から、学習そのものを楽しいと感じ、積極的に取り組む内発的動機づけへの変容が見られたことから、プロジェクト授業と学習意欲の一定の関係性を見いだすことができる。 一方、つながりの構築は、「誰と」「どのように」「何のために」つながるのかということが学習意欲の向上に関係がある。この部分を学習者自身が自然な文脈で受け入れることができるかどうかが重要である。いかに現実社会と自然な関係を持ちつつ、学習者が自らの問題、課題としてプロジェクトに向き合い、(授業への参加者という意識ではなく)社会の一員としての自覚を持ちながらこうしたプロジェクト授業に取り組むことができるような設計を行うことが、そのプロジェクト授業を成功へと導くことになる。こうしたことを理論面から明らかにし、広く公表することは、それぞれの授業改善という部分だけでなく、より良い学習者、より良い社会人を育てるためにも非常に重要なことであると思われる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究課題は本来であれば平成30年度末までのものであったが、最終的な報告書を兼ねた書籍の刊行およびその公表が1ヶ月程度遅れた。しかし、それを除くと研究そのものはおおむね順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終的な報告書を兼ねた書籍の刊行とその公表をもって本課題の目標は達成される。書籍が刊行されたのち、研究代表者を含む関係者がここに書かれたことを発展させ、それぞれの学会や研究会で報告していく予定である。
|
Causes of Carryover |
報告書を兼ねた書籍の刊行に関連して一定の予算を確保していたが、その経費の執行が次年度になってしまったため、ほぼその経費分がそのまま次年度へ回った。
|
Research Products
(6 results)