2018 Fiscal Year Annual Research Report
Strategy assessment and material development in L2 English reading
Project/Area Number |
16K02873
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
勝藤 和子 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (50363130)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学習ストラテジー / 因子分析 / S2Rモデル / 自己調整 / 社会文化的コンテクスト / アイデンティティー |
Outline of Annual Research Achievements |
高専生の使用する学習ストラテジーの特性における因子の数は,3つと解釈された。第1因子は,その特徴から「教室外コミュニケーション」,第2因子は,「英語学習スキル」,「自己調整」と名づけられた。この分析より,高専生が使用する学習ストラテジーは,ある程度のコミュニケーション力を背景とした項目と,授業や自宅や寮での学習を想定できる項目,そして,計画性や自己コントロールなどの項目と,英語を学ぶ状況に応じたストラテジーを組み合わせて用いる傾向があると考えられる。S2Rモデルの認知,情意,社会対人ディメンションのストラテジーとメタストラテジーという枠組みでの因子の存在は,今後もアンケートの質問項目を改善するなどして検討を続けるが,学習者はその時どきの学習環境や状況に応じたストラテジーを組み合わせて用いているという特性への認識が必要である。 学生の英語の熟達度とS2Rモデルの枠組で解釈した学習ストラテジーの使用との関連性に関しては,S2Rモデルの枠組みで解釈した第2因子の「英語学習スキル」と英語熟達度GTECの総スコア,リーディングスコア,ライティングスコアとの間に弱い相関が見られたが,他の因子と英語熟達度のスコアとはほとんど相関が見られなかった。 本研究の結果は,S2Rモデルの社会文化的コンテクストやアイデンティティーという視点とまさに関連していると考えられる。個々の学習者が常に同じストラテジーを使用するのではなく,学習環境や状況に応じて,異なるストラテジー組み合わせて用いていると考えることは,非常に自然なことである。筆者はこれまで,優れた学習者の育成にはメタストラテジー指導カリキュラムの開発や評価が必要であると強く考えていた。しかしながら,今後はメタストラテジーの指導という視点に留まらず,社会文化的コンテクストやアイデンティティーも含んだ指導に関する検討が必要だということが分かった。
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