2016 Fiscal Year Research-status Report
英語をめぐる言語態度の東アジア比較研究―映像メディア分析と教育的活用
Project/Area Number |
16K02885
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
山口 美知代 京都府立大学, 文学部, 准教授 (50259420)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 めぐみ 成蹊大学, 経済学部, 教授 (50339587)
渡辺 宥泰 法政大学, グローバル教養学部, 教授 (60240529)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | リンガフランカとしての英語 / アメリカ映画の中の日本 / トーキーの登場と言語態度 / 『マイ・フェア・レディ』翻案 / 映画における異言語ユーモアの日韓比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(1)日本語、韓国語、中国語が主である映画やドラマのなかで英語が用いられている場合の各言語の表象、とりわけ言語態度の現れ方、(2)英語が主である映画、ドラマのなかで日本語、韓国語、中国語の母語話者の表象、彼らの英語の表象、言語態度の描かれ方、(3)日本語、韓国語、中国語母語話者の英語に関する言語態度調査の準備、の3点を行った。(1)については研究代表者山口が韓国のSTEM(Society for Teaching English through Media)で口頭発表"Cross-linguistic humor and ELT"のなかで日本映画と韓国映画における英語を用いた異言語ユーモアについて発表した。また言語態度についてAsiaTEFLでの口頭発表に基き論文「『マイ・フェア・レディ』から『舞妓はレディ』へ―京都版リメイク映画の言語観―」を発表した。(2)については、研究分担者小林が、アメリカ映画の中の日本の表象について、調査を行い、その成果を成蹊大学公開講座で講演し、「アメリカ映画の中の日本」として講演録を刊行した。また山口は1920年代後半のトーキー登場期のアメリカ映画に焦点を当てて、新聞・雑誌資料に基づき言語態度を調査し、その成果を論文「トーキーの英語とイギリスの反応―1920年代末のハリウッド映画をめぐって―」として発表した。(3)については東アジアにおける英語観、英語に関する言語態度調査のフォーマットを研究分担者渡辺が作成し、研究会で調査準備を行った。さらに渡辺はこの調査に関連する重要な概念である国際語としての英語およびリンガフランカとしての英語について口頭発表および招待講演English as a ligua franca in Japan: a brief comparison with Mainland Europeを日本英語文化学会で行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のような成果が得られており、研究実施計画に従い、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度の研究成果を踏まえて、さらに調査分析を進める。本年度調査フォーマットを準備した言語態度に関する調査を行う。また、本年度は、東アジアのなかでも、日本、韓国を中心に調査を進めたので、次年度は中国語圏での調査準備を行う。
|
Causes of Carryover |
支出を予定していた出張調査を行うことなく研究計画が遂行できたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
映像資料、文献資料を中心とする物品購入費とする予定である。
|