2016 Fiscal Year Research-status Report
日本人英語学習者の談話標識の使用・習得に関する研究及び教材開発への応用
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16K02889
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
嶋田 和成 高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 講師 (30642277)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 英語教科書分析 / コーパス言語学 / 談話標識 / 話し言葉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英語の話し言葉における日本人学習者の談話標識(discourse markers)の使用と習得に関して、母語である日本語の影響に関する調査、及び、学習者の主たるインプット資源となる英語教科書・教師の指導の影響に関する調査を行い、どのような要因がどの程度、影響を与えているのかを解明すること、そして、今後の英語教科書に掲載する談話標識の種類と提示の方法、順序をまとめた基礎資料を作成することを目的としている。 今年度は、日本語の談話標識の使用が英語の談話標識の使用にどのように影響を与えているのかを調べるために、日本人英語学習者約30名の日本語と英語の発話データを採取した。発話データの採取にあたっては、日本人大学生を対象とした英語授業の中で、インタビュータスク、イラスト描写タスク、テーマに基づくショート・スピーチタスクを日本語と英語で実施した。インタビュータスクでは、3問の質問に答えるQ&A、イラスト描写タスクでは、英検2級の第2次試験問題で使用された3コマイラストの描写、そして、ショート・スピーチタスクでは、与えられたテーマで1分間話すタスクを用い、いずれのタスクもCALL教室を使って、PCの画面によるタスク提示、ヘッドセットによる発話録音を行った。 録音後、採取された発話データは、外部のテープ起こし業者によって、文字データとしてスクリプト化され、電子ファイルとして整理されている。現在、分析作業が進行中であるが、このスクリプト化された日本語と英語の発話データに含まれている談話標識の種類、頻度を量的に分析した後、談話標識の使用場面と機能を質的に分析し、日本語の影響を明らかにしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学習者の発話データの採取は、通常の授業の一環として実施し、授業計画に悪影響を及ぼさないよう十分に配慮した。そのため、データの採取完了が平成29年1月までずれ込み、また、発話データのスクリプト化において、言い淀みなどのフィラーもすべて書き起こしたため、文字データにするのにかなりの時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、追加のデータ採取も行いながら、28年度に実施できなかった発話データの分析を行い、英語の話し言葉における日本人学習者の談話標識の使用と習得に関して、母語の影響を明らかにしたい。また、当初の計画通り、英語教科書のデータベース化と分析を進め、平成30年度に英語教科書と発話データの比較分析ができるようにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
発話データの文字起こしが平成28年度内に完了しなかったため。また、研究成果発表を平成29年度以降に行うことにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
発話データの文字起こしの費用、国際応用言語学会AILA 2017(ブラジル・リオデジャネイロ)への出張旅費、英語教科書のデータベース作成費用、論文の英文校閲に使用する予定である。
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