2016 Fiscal Year Research-status Report
自律・協調学習を促進する英語ライティングシステムの構築: 学習支援の可視化
Project/Area Number |
16K02893
|
Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
久島 智津子 津田塾大学, 言語文化研究所, 研究員 (80623876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 康人 神奈川大学, 総合理学研究所, 研究員 (50552999)
田近 裕子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (80188268)
来住 伸子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50245990)
園田 勝英 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 特任教授 (70113694)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 英語ライティング / 語彙の多様性 / 協調学習 / 自律学習 / eラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、既に運用されている英語ライティングシステムCoconuts上に、学習者が自分のライティングを振り返られるポートフォリオと自己評価のページ(語彙スコア)を構築し、実際に授業で運用した。具体的に以下の手順を踏んだ。 1)ポートフォリオに関しては、学習者毎に自分が投稿したライティングにリンクできるページを作成し、振り返ることができるようにした。 2)学習者の自己評価については、ライティングの評価指標(使用語彙の豊かさ、文の複雑さなどの指標)や見せ方について検討し、実装した。現段階では、評価指標は、語数 (Token)、異なり語数 (Type)、異なり語数/語数 (Type/Token)、文数、平均語数/文、平均JACETランク(JACET8000での順位に基づく学習者の使用語彙の平均順位)とし、その評価ページは語彙スコアの名前とした。語彙スコアのページでは、学習者が語彙使用について視覚的に評価できるように、JACET8000を基にレベルを4段階に分け、ライティングの使用語彙をオープンソースの自然言語処理ライブラリを利用してレベル毎に色分けした。さらにJACET8000の1000位毎に使用語彙数をグラフで表示した。 3)平成28年度後期に大学でのライティングの授業で上記のように改訂したCoconutsを運用した。現在は、学習者の語彙スコアページの結果分析を行っており、また、評価指標の妥当性や語彙処理の信頼性についても検討している。これらの結果を基に、次の改訂につなげる予定である。 4)平成29年度でのCoconutsのユーザビリティの向上を目指し、Coconutsの学習者のアイコンやフォーマットのデザインの変更も検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の計画の要点は、英語ライティングシステムCoconutsに学習者が視覚的に自己評価できるライティングの評価指標(使用語彙の豊かさ、文の複雑さなどの指標)を検討し、試験的に実装することであった。実際に、評価指標はライティングの使用語彙に焦点を置き、JACET8000を基に使用語彙を4段階に分け、オープンソースの自然言語処理ライブラリを利用して、語彙処理をして色分けした。次に、試験的にCoconutsにそれらの評価指標を伴う評価ページ(語彙スコア)を実装し、大学のライティング授業で運用した。現段階では、評価指標の妥当性や語彙処理の信頼性について検討中であり、研究はおおむね順調に進行していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、おおむね順調に進展しており、今後も学会等での発表を積極的に行い、研究が滞りなく進められるように推進していく。 課題としては、評価指標を実装した語彙スコアのページに基準となる数値が表示されていないため、学習者がどのような数値を目標にすればいいのか曖昧である点が挙げられる。解決策として、学習者に目標の数値を示すことができるよう、モデルライティングや英語母語話者の数値と比較し、視覚化することが考えられる。また、仮想メンバーであるBotのライティングの参照頻度がそれほど高くないという問題もあり、Botの役割を見直しし、モデルライティングを提示するBotの他に、助言を行うBotも投入することとする。次年度は、語彙指標の基準値の視覚化と助言を行うBotの開発を重点的に取り組んでいく。
|
Causes of Carryover |
本研究中の英語ライティングシステム(Coconuts)は、試験的に追加機能を実装中であり、次年度で本格的に運用できるように完成しなければならない。また、新たな追加機能として、モデルライティングや英語母語話者の語彙指標と比較できるような視覚化も検討中である。さらに、英語ライティングシステムのユーザビリティを強化したWebデザインも望まれる。したがって、英語ライティングシステム研究開発費、Webデザイン費、研究協力者やサーバー管理者への謝礼金、並びに研究成果の学会発表、研究テーマの動向調査の旅費費用が生じる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品:490 (千円)(システム開発費、システムテスト費、消耗品等)/旅費:395 (千円)(研究大会参加費、研究大会の旅費/謝金:900 (千円)(Webデザイン、コーディング費、研究協力者・サーバー管理者への謝礼)/その他:100 (千円)(資料費等) 計 1,885 (千円)
|
Research Products
(3 results)