2018 Fiscal Year Research-status Report
自律・協調学習を促進する英語ライティングシステムの構築: 学習支援の可視化
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16K02893
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
久島 智津子 津田塾大学, 言語文化研究所, 研究員 (80623876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 康人 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50552999)
田近 裕子 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (80188268)
来住 伸子 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50245990)
園田 勝英 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 特任教授 (70113694) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ライティング / eラーニング / 使用語彙 / 自律学習 / 協調学習 / 学習コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究チームで開発した英語ライティングシステムCoconuts上に構築した学習者のポートフォリオと使用語彙の評価ページ(語彙スコア)を基に、語彙評価指標値について日本人大学生の英語学習者と英語話者との比較を行った。また、授業コースでの運用後、語彙スコアに基づく学習者自身の語彙使用への気づきについて質問調査を行った。さらに、学習者の各語彙指標値が学習コミュニティ内でどのぐらいの位置を示しているのかわかるようにコミュニティ内の平均値を表示するように改訂し、授業で活用した。 1)語彙評価指標値の日本人大学生の英語学習者と英語話者との比較:分析に使用した素材がEメール文だったため、フォーマルなEメール文とインフォーマルなEメール文に分けて、システム内の指標やunigramsを基に比較分析したところ、内容語における学習者の語彙レベルの数値は英語話者よりかなり低いが、インフォーマルなメール文では、学習者と英語話者の使用語彙のType/Token、内容語数/語数の平均値、中央値は近似値を示した。インフォーマルなメール文は、話し言葉に近く、使用語彙における語の多様性については、日本人学生と英語話者間で大きな差はないと推定される。 2) 学習者自身の語彙使用への気づき:語彙スコアに対する学習者自身の気づきに関する質問調査では、自身の語彙不足や使用語彙の傾向を自覚して語彙学習への意欲を示している学生が観察された。本システムの語彙スコアが自律学習を促進する可能性を示したとも言える。 3) 学習コミュニティ内の各語彙指標の平均値の表示:2018年度後期の授業で、各語彙指標に学習コミュニティ内の平均値を表示した語彙スコアのページを活用した。平均値の表示による学習者への影響については、分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の計画の要点は、実装したライティングシステムを授業等で運用し、ライティングシステムの効果検証を行い、随時改良を行うことであった。全体としては、概ね予定通りであったが、語彙スコアの実装やシステムの改訂(学習コミュニティ内の各語彙指標の平均値の表示)について、少々時間がかかったため、クラスでの運用期間や分析期間が不十分であった。そのため、1年延長して、分析を詳細に行い、結果等を学会等で発表することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
科学研究費助成を受けられる最終年であるので、国内外での学会で研究結果を発信していく。また、学習コミュニティと自律学習に関連する分野の学会等に参加し、知見を広げていく。
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Causes of Carryover |
本研究の研究成果の発表に向けて、研究大会への旅費や、図書資料やPC周辺機器等で費用が発生する見込みである。 物品 80 (千円)(PC周辺機器、消耗品等)/旅費 100 (千円)(研究大会参加費、研究大会の旅費)/その他 60(千円)(資料費等) 計 240 (千円)
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Research Products
(4 results)