2017 Fiscal Year Research-status Report
発音訓練における調音指示法の効果の検証とそれに基づく視覚的支援表示法の提案
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16K02897
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| Research Institution | Tokyo Denki University |
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Principal Investigator |
大浦 泉 (花崎泉) 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (50180914)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 発音訓練視覚的支援 / 音声解析 / 調音時舌形状推定 / 声道断面積 / 口唇形状推定 / 発音教示法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
日本語を母国語とする英語発音訓練者のための調音指示法の効果を検証するにあたり、予備実験を通して問題点として挙げられていた １）訓練者個人に由来する調音の癖 ２）調音指導のための視覚的支援表示が理解しにくい点 についての改善策を構築した。１）についは、発音時頭部矢状断面MR画像と音声の解析により、調音時の口唇突出しにより口腔内の舌最高点が前に移動することが確認できた。音声の音響学的特徴であるフォルマントには変化がないため、音声解析過程で算出される反射係数に基づく声道断面積関数を利用して突出し程度を判別するアルゴリズムを開発したことにより、口唇突出しの有無に関する調音指示を作成することが可能となった。２）については、発音時の口唇周りの表情筋電位信号から口唇運動を記述する数理モデルを作成した。
発音時の表情筋電位信号の解析より、日本語発音時と英語発音時での表情筋の使い方に違いがあることを確認、英単語発音時の口唇の動きに着目したモデル検証実験では、英語母音の発音時の口唇の動きを推定可能であるとの所見を得ることができた。しかし、母音の種類によってはモデルによる推定精度が不十分である事例が観測できることから、調音指示法へ適用するには、着目する表情筋の選別において更なる検討が必要であることが判明した。
以上の成果より、実際に調音指示の音響学的効果を検証しながら発音訓練する環境が整備された。それと同時に、表情筋に関する調音指示法の考案ならびに検証することも可能となった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度には、表情筋の動きと口唇動作との定量的な関係を同定することを予定していた。予定通り、口唇周りの5カ所の表情筋電位信号と口唇の横開き、縦開き、突出しとの関係を、多入出力モデルと捉え状態空間モデルを用いて同定した。モデルの検証においては、まだ改良の余地が認められるが、英単語発音時の口唇形状変化の推定検証実験を実施したところ、調音指導に有効に活用可能と判断するに至る結果を得た。
発音時頭部矢状断面MR画像の解析により、音声信号からの舌形状推定精度を向上させる推定方法の構築も進んでいるため、H30年度に予定している調音指導法の効果検証ならびに新たな調音指導方法の構築に向けて、進捗状況はおおむね順調であると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
H29年度までの成果に基づき、音声信号からの口腔内舌形状推定ならびに口唇動作を導く表情筋の推定法を調整した上、実際の発音訓練の現場に適用する。英語教師が開発中の発音訓練システムを発音指導に用いたときの指導効果の計測、英語教師からのヒアリングを通して効果的な調音指導法の抽出と視覚的支援表示法の調整を行う。また、発音訓練者が単独で訓練した場合の訓練効果を測定して、訓練状況にあわせて調音指示を表示するタイミングの推定法を考案する。英単語による英語母音発音訓練の実用化を図る。
発音指導をする英語教師は、本研究協力者である本学の音声学を専門とする教員に依頼し、継続的な発音訓練は研究代表者所属の大学院生に依頼する予定である。
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| Causes of Carryover |
前年度研究計画では、発声音声と口腔内舌形状の同時測定のためMR画像撮影のための測定装置利用代金ならびに利用場所への旅費を予定していた。しかし入手したMR画像の解析にて研究遂行に十分な舌形状推定アルゴリズムを構築するに至り上記費用が不要となり、その分を成果発表の論文掲載料に充当することとなった。そのため差額が生じた。H29年度の進捗状況から判断すると本年度は新たな成果が見込まれることから、成果発表のための経費として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)
