2017 Fiscal Year Research-status Report
二次元コード・3Dプリンター・骨伝導器連結による視聴覚障碍者言語情報獲得の研究
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16K02902
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
馬場 景子 日本福祉大学, その他部局等, 非常勤講師 (80424943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 長貴 山形県立米沢女子短期大学, 英語英文学科, 教授 (00214825)
中野 幸夫 関東学院大学, 理工学部, 教授 (10371254)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 二次元コード / 3Dプリンター / 骨伝導器 / ASL / ユニバーサルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の主だった研究業績は、研究課題名「二次元コード・3Dプリンター・骨伝導器連結による視聴覚障碍者言語情報獲得の研究」のうち、二次元コード、3Dプリンター、骨伝導器、視聴覚障碍者言語情報獲得の各アスペクトの連携による成果を出すことができた。 二次元コードに関しては、視覚障碍者と晴眼者の両方の理解を得ることが可能な「触る絵本点字つき」から一冊を選択し、アメリカ手話(以下 ASL)に翻訳し、さらにASL手話者による実演を撮影し、その動画を二次元コード化した。各シーンの重要箇所には特殊音を入れた。この特殊音は次年度に重点をおく研究の重要箇所となる。 3Dプリンターによる作成に関しては、小学校1年の漢字から選択し、単に文字全体を3Dプリンターで作成するのではなく、片面に凸凹ができるようにコンピュータ上で設計図を作成し、凹面に凸面部分が入るようにした。この成果は、字形教育の観点から盲教育史上において画期的な研究成果である。 視覚障碍者言語情報獲得の問題点は、過去の盲教育史と解放史と大いに関係していた。本研究の視点から、斉藤百合という明治20年代生まれの全盲女性の生涯に関しての本を監修したことにより、視覚障碍者の言語学習の過程の一端を垣間見ることが出来た。一般書出版であり、さらに絵本の形式を採用したことで、より親しみ深い作品となった。また斉藤百合の存在をさらにアピールするため、絵師の小島伸吾氏、講談師の神田京子氏に依頼をした。絵は、2017イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に出品した。また講談に関しては、視覚障碍者の歴史的な偉人が講談になっていることが背景となっている。社会貢献としての意味から見ても効果的な実績であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究方法では4つの研究方向を示した。その4つすべてが計画以上に進展している。研究実績の概要でも記載したように、研究開発の意味合いのみならず、社会貢献・社会への認知の両方面での進歩状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題名「二次元コード・3Dプリンター・骨伝導器連結による視聴覚障碍者言語情報獲得の研究」の骨伝導器を連結させる準備が完成したので平成30年度の推進ストラテージは、聴覚障碍者にとっての骨伝導器を使用する安全面を考慮した仕様変更を行ない、さらに効果的な使用が可能な数種類のデバイスを完成させるつもりである。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、視覚障碍者「斉藤百合の生涯」の本の出版が急遽決定した結果、平成29度に計画を立てていた「骨伝導器の仕様固め」が遅れたために、次年度使用額が生じた。平成30年度の使用額に関しては、「骨伝導器の仕様固めと製作」を推進していく。
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Research Products
(5 results)