2021 Fiscal Year Annual Research Report
Developing language activities and textbooks aimed at raising awareness of spoken English with the use of spoken corpora
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16K02907
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
山崎 のぞみ 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (40368270)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 英語の話し言葉 / 口語英語コーパス / 右方転位構造(テール) / 話し言葉文法 / 相互行為的言語現象 / 会話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、口語英語コーパスを利用して会話に特徴的な相互行為的言語現象の研究を行い、それを英語教育に応用して、話し言葉の言語使用に気づきをもたらし意識化させる学習方法・言語活動を模索することである。 2021年度は、2020年の「英語コーパス学会第46回大会」で口頭発表した内容に基づいた研究論文を『英語コーパス研究』で発表した。話し言葉に特徴的な言語形式の一つである‘tail’と呼ばれる右方転位構造(right dislocation)について、その語用的機能を付加疑問との共起という観点から論じた。発話頭の要素に比べて発話末要素の連鎖構造についての研究は進んでおらず,特にテールは単体で議論されることが多い。本論文は,Spoken BNC2014という日常会話の英語コーパスを用いて,テールと付加疑問の連鎖関係がテールの働きにどのように影響しているのかということを明らかにした。 また、「英語教員のための夏期リフレッシャーコース」(関西外国語大学)にて講義を担当し、「話し言葉文法(spoken grammar)」研究で明らかになった英語の話し言葉の実態を、英語教育さらには言語教育に活かす方法について探った。口語英語コーパスの会話を利用して、会話の即興的・相互行為的側面を反映した言語現象(文法的に不完全な発話、省略、あいまい表現、相づち、テールなどの発話末要素、談話標識など)を意識化させる活動や、産出につなげる練習問題を紹介した。 研究期間全体を通じて、自然発生的で双方向的な話し言葉が持つ「話し言葉文法」について、様々な観点から解明を進めることができた。さらに、授業や教科書教材編纂といった教育活動の中で研究を活かすことができた。フォーマルな書き言葉とは異なる話し言葉の実態に気づかせて会話能力を向上させるような言語活動を提案し、その重要性や意義を主張できたと考える。
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Research Products
(4 results)