2016 Fiscal Year Research-status Report
小・中・高の英語の教科書・教材におけるスピーキング活動のタスク性からの分析
| Project/Area Number |
16K02912
|
|---|
| Research Institution | Hakodate National College of Technology |
|---|
Principal Investigator |
山下 純一 函館工業高等専門学校, 一般人文系, 准教授 (20552087)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 昭暢 北海道教育大学, 教育学部, 特任准教授 (60735405)
臼田 悦之 函館工業高等専門学校, 一般人文系, 教授 (00413708)
竹内 典彦 北海道情報大学, 経営情報学部, 教授 (20364284)
横山 吉樹 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (70254711)
萬谷 隆一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (20158546)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | タスク活動 / スピーキング活動 / コミュニケーション活動 / 英語教育 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
平成２８年度に中学校で使用されている英語の教科書６社を対象にし，それらに掲載されてるスピーキング活動を抽出した。そして，それらの活動をタスク性の観点から分析を行った。その結果，スピーキング活動のタスク性の平均が高い３社と低い３社に分かれ，過去の研究結果でも見られた二極化がさらに進んでいることがわかった。また，タスク性の平均が一番高かった教科書の特徴を分析すると，学年が上がるにつれてタスク性も上がっていくことがわかった。また，学年が上がるにつれて，他の教科書で多く見られるペアで行うドリル活動（タスク性が低くなる活動）が減少していきつつも，タスク性が高い活動は維持されていることが，６社の教科書の中でタスク性の平均が一番高くなった大きな要因だとということがわかった。また，反対にタスク性の平均が低い教科書の特徴を分析した結果，タスク性が高いスピーキング活動も掲載されているが，ペアワークという形で一見，スピーキング活動と位置づけられた活動であっても，ほとんど与えられた文を読むだけで活動が完了してしまう活動が多く掲載されており，このことがタスク性の平均を低くしてしまう要因だということがわかった。
これらの分析を踏まえ，６社の教科書の中から，タスク性の高い活動とタスク性の低い活動を抽出して，比較を行った。特に，同じ文法項目を対象としてた活動を比較したところ，どのような工夫を加えることで様々なスピーキング活動のタスク性を高くすることができるかを明らかにすることができた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り，中学校英語教科書に掲載されているスピーキング活動の比較，分析を行うことができた。また，その結果からタスク性を高める工夫なども見いだすことができた。平成２９年度中に行う予定だった，タスク性を高めたスピーキング活動を用いた一回目の授業実践が，平成２８年度中に行えたことから，順調に進展していると言える。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後，行っていく研究は大きく分けて２つになる。
一つ目は，タスク性を高めたスピーキング活動を用いた授業実践と活動の改善である。実際に中学校と高等学校でタスク性を高めたスピーキング活動を用いた授業を行い，そこから得られる課題を基に，スピーキング活動の改善，および，タスクを用いた授業方法について考察していく。
二つ目は，タスク性の観点を用いて，中学校から高等学校へと発展的内容になっていくスピーキング活動作成である。また，小学校でも英語が教科化されることから，小学校の教育現場におけるスピーキング活動も視野に入れた活動作成に取り組む。現在使用されている小学校外国語活動教材や，中学校・高等学校の英語教科書に掲載されているスピーキング活動の分類（道案内や買い物など）を行い，教科書に沿ったスピーキング活動の作成方針を固めていく。その方針を基に，現在，ばらばらになっているスピーキング活動をまとめ，小学校から高等学校へと発展的内容になっていくスピーキング活動作成に取り組んでいく。
|
| Causes of Carryover |
研究発表を行った学会（全国英語教育学会）の会場が埼玉県だったため，北海道からの移動費用が当初の予定よりもかからなかったため，次年度使用額が生じた。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度，研究発表を行う学会（全国英語教育学会）が島根で開催される。本プロジェクトに関わっている研究者全員が北海道から島根への移動となるため，前年度と反対に，旅費にかなり多くの費用がかかることから，旅費として使用する予定である。
|
