2017 Fiscal Year Research-status Report
英語副詞辞(Adverbial Particles)の第二言語習得研究
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16K02918
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奉 鉉京 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50434593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 鉱三 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (20169501)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 副詞辞移動 / 第一言語習得 / 第二言語習得 / CHILDES |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、副詞辞がない言語(日本語・韓国語)を母語とする日本人・韓国人にとって、その習得が難しいとされる英語副詞辞の第二言語習得研究を行い、徹底的に「習得難易度」「発達順序」「中間言語」「母語役割」「習得可能性」「学習可能性」などを明らかにすることである。 平成29年度は、英語副詞辞の統語的・意味的特性(Lemmatic Properties)を理論的な面と第一言語習得のデータをもとに検証した。実験的な面で英語の第一言語習得のデータベース(CHILDES)を利用し、統語的特性とされる(1) 疑似自動詞的句動詞(例:Henry took off, David came up with an idea), (2) 副詞辞移動(Particle Movement)=他動詞的句動詞(例:The fireman put out the fire, The fireman put the fire out.), (3) 他動詞的句動詞(例:Laura takes after her father, *Laura takes her father after.)の発達段階を研究した。特に、副詞辞移動(Particle Movement)の習得段階の場合、副詞辞移動は2歳頃の発話で現われていることを究明した。言い換えれば、移動にはコストがかかるとされるが、実際第一言語習得では初期段階で移動の現象がみられることから既存の言語習得モデルの再考を主張した。第二言語習得においては、ファイロット実験で、副詞辞の統語的特性である、「副詞辞移動」は習得可能であると暫定的結論付けに至った。しかし、副詞辞の意味的特性である要素(Dimension, Physicality, Aspectuality, Abstractness, and so on)の習得には差が見られることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画では、平成29年度に日本で本実験を実施する予定であったが、日本人学生対象で行った予備実験の結果を分析した結果、実験の見直しが必要であることが判明した。それにより、来年予定していた韓国人学生対象の予備実験を今年度に実施することにした。その結果、類似した結果を得たため、本実験の見直しをすることにし、実験研究デザインを訂正し、見直した。つまり遅れて、日本語母語話者対象の本実験をすることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は日本語母語話者と韓国語母語話者を対象に「英語副詞辞の第二言語習得実験研究」を行う。その実験結果のデータ入力・考察・分析を行う。さらにその結果等について国内外の研究者と意見交換する。被験者確保対策:実験研究の被験者の確保の為に、実験回数や実験期間などを綿密に計画する。日本の教育機関に勤める先輩・同僚・共同研究者などに依頼することにより被験者の数の確保に努める。さらに、実験に参加する被験者には、英語能力判定の結果に基づいて弱いところの指摘やどのように英語を勉強すれば伸びるのかなどのフィードバックや文具類と図書券等で謝礼をする。韓国語母語話者の確保には、日本での実験研究時の対策に加えて、韓国の研究協力者への謝礼をする。
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Causes of Carryover |
購入予定だった外付けメモリの購入を見送り、平成30年度発売予定の新モデルを購入することにした。
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