2017 Fiscal Year Research-status Report
地域の多言語化促進要因と担い手に関する国際比較研究
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16K02926
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
糸魚川 美樹 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (10405152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 信行 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (20405153)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多言語化 / 移民 / 医療通訳 / コミュニティ通訳 / スペイン語 / ボランティア / 外国語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本国内では、地域住民の言語の多様化と訪日外国人の言語による多様化の2つの現象をとらえるため、前者については岡山県と島根県において多言語サービスについて調査を実施した。後者については岐阜県を対象とした。岡山市はベトナム出身者の急増によりベトナム語によるコミュニティ通訳のニーズが大きくなってきているが人材不足である。島根県出雲市ではブラジル出身者が3000人を越え、外国籍住民の7割以上を占める。多くは工場労働者とその家族である。市役所においてポルトガル語による情報提供や通訳付きの相談会も始まっている。市にはブラジル食品を扱う店や料理店も現れ始めた。 岐阜県中津川市、高山市は外国人観光客が増加しており、観光案内のパンフレット等多いもので9言語に訳されている。もっとも広く見受けられたのは中国語と英語であった。これら2つの言語については商店の商品説明にも使用されている。一方、スペインからの観光客がここ数年増加しており飲食店のメニューにスペイン語訳が付されているところもある。岐阜県はスペイン人が訪れる県では東京、京都、神奈川に次いで第4位である。 通訳人材について、都道府県別に通訳ボランティア、語学ボランティアの活動について調査し7月末に開催された情報保障研究会で発表した。医療通訳を始めとするコミュニティ通訳は住民の権利と考えられるが、それがボランティアによって実践されていることの問題について検討した。 国外ではイタリアのローマ市とフィレンツェ市で調査を開始した。ローマ市では非営利団体を訪問し異文化メディエーターに対する聞き取り調査をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年日本社会における外国籍住民の多様化が急速にすすんでいる。これについては情報をこまめに収集している。当初愛知県と岐阜県を中心に調査を行なう予定であったが、出雲市のようにブラジル人が急増した地域について、ポルトガル語の言語表示が街頭に登場するか、など愛知県でおこなった調査結果と比較することができた。 イタリアについては協力者の力添えによって、データ収集のほか聞き取り調査の分野が広がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度のローマでの調査により異文化メディエーターとの交流がひろがった。医療や教育分野における異文化メディエーターだけでなく司法分野についても今後調査をすすめる。 多言語化を担う人材について、調査対象としている日本、スペイン、イタリアにおける共通の問題としてコミュニティ通訳のボランティア化または低報酬による雇用がある。スペインおよびイタリアでは一般に移民が異文化メディエーションの実践者として低賃金で雇用されている。ボランティア化によって生じる問題を追求する。
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Causes of Carryover |
国外調査について、調査協力者との打ち合わせにより効率よくできたため。今年度は協力者によって調査地を増やすことが可能となったためにそれに当てる。
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