2017 Fiscal Year Research-status Report
シャドーイングが処理効率・プロソディ生成に及ぼす影響:学習者の注意を操作した効果
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16K02928
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
中西 弘 東北学院大学, 文学部, 准教授 (10582918)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンテンツシャドーイング / プロソディシャドーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
シャドーイング訓練中に学習者の注意を、意味・統語・語用論的側面に向けるコンテンツシャドーイングにおいても、学習者の音声的側面(音声知覚・プロソディ生成・構音速度)が促進されるのか検討した。 実験参加者は大学生60名で、習熟度が等しい4グループに分け (1)プロソディシャドーイング(2)意味シャドーイング(3)統語シャドーイング(4)語用論シャドーイング、4種類のうちいずれかのシャドーイング訓練を行った(それぞれ30文)。具体的には、 (1)では、シャドーイング中モデル音声に集中するよう指示し、学習者の注意を音声側面に向けさせた。(2)では、シャドーイングをする度に日本語訳真偽性判定課題を設け、学習者の注意を意味的側面に向けさせた。(3)では、シャドーイングをする度に文法性判断課題を設け、学習者の注意を統語的側面に向けさせた。(4)では、シャドーイングをする度に語用論性判断課題を設け、学習者の注意を語用論的側面に向けさせた。またプレ・ポストテストとして、音読テスト(3文)、シャドーイングテスト(3文)を実施した。なお、全ての課題は、個別にコンピュータ上で行われた。 実験の結果、シャドーイングの種類に関わらず(1)構音速度が向上し、音を聞き取る技能が向上するが、(2)プロソディ側面(ピッチ幅・インテンシティ幅)の改善は見られないことが明らかになった。 コンテンツシャドーイング訓練においても、プロソディシャドーイング訓練同様、音声的側面(速度・知覚)の向上が見られた理由として、(1)コンテンツシャドーイング訓練時の言語処理タスクが学習者にとって容易であったため、シャドーイング訓練中に注意を十分に音声面に向けることが出来たこと (2)学習者の習熟度が高く、プロソディシャドーイング訓練時においても、コンテンツの側面にも注意を向けながらシャドーイングを行っていた可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年4月~2018年3月にかけて、本科研の研究成果を4件、学会で報告しました。①2017年5月27日 国際学会ILA(International Linguistics Association)にて口頭発表(単独)”Cognitive mechanism of contents shadowing and repeating: Determinant processing factors of English sound perception by Japanese English-Language learners”、②2017年5月28日 国際学会ILAにてポスター発表(共同)” How the subcategorization information of infinitive complement verbs is stored and retrieved by Japanese EFL learners: Evidence from picture description tasks” ③2017年9月9日国際学会AMLaP(Architecturesand Mechanisms of Language Processing)にてポスター発表(単独)“The Effect of Contents Shadowing Training on Articulation Rates for Japanese EFL Learners” ④2018年3月18日ことばの科学会にて口頭発表(単独)「シャドーイング中の注意の向け方とその効果」
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究成果を論文としてまとめ、国際誌に投稿する予定である。 また、昨年度行った枠組みを利用して、シャドーイング訓練中に学習者の注意を、意味・統語・語用論的側面に向けるコンテンツシャドーイングにおいても、学習者の音声的側面(音声知覚・プロソディ生成・構音速度)が促進されるのかどうか、個人差(習熟度)による影響・シャドーイング練習回数による影響に焦点を当て調査する。 実験参加者は大学生100名(予定)で、習熟度が同じになるように4グループに分け、 (1)プロソディシャドーイング(2)意味シャドーイング(3)統語シャドーイング(4)語用論シャドーイング、4種類のうちいずれかのシャドーイング訓練を行う。シャドーイング訓練文として、90文用意し、プレテストとして、音読テスト・シャドーイングテスト(3文ずつ)を実施する。また、ポストテストは、シャドーイング訓練が30文終了する毎に音読テスト・シャドーイングテスト(3文ずつ)を実施する。 分析としては、音声的側面(音声知覚・プロソディ生成・構音速度)が向上するかどうか、(1)コンテンツシャドーイングの種類(意味・統語・語用論)、(2)学習者の習熟度、(3)シャドーイング回数という観点から検討する予定である。
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Causes of Carryover |
・シャドーイング音声データが今後の研究でさらに増える予定であり、音声データ整理のための学生アルバイトへの謝金が必要なため ・本年度東京で行われる心理言語学関連の講座(東京言語研究所)や学会に参加するための費用が必要なため
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Research Products
(4 results)