2018 Fiscal Year Annual Research Report
How Attentional Direction on Certain Language Aspects during Shadowing Training Influences Japanese EFL Learners' Phonological Processing Skills
Project/Area Number |
16K02928
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
中西 弘 東北学院大学, 文学部, 教授 (10582918)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シャドーイング / リピーティング / 音声知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
英語リピーティングは、学習者がチャンク毎にモデル音声を聞いた後に、その音声を再現することが求められる英語学習法である。この学習法は、モデル音声提示から発話開始まで時間的余裕があるため、その間に様々な言語的処理を行うことが可能である。これまでの先行研究からは、英語学習者におけるリピーティング遂行時の心的過程は、シャドーイング遂行時の心的過程に比べ、必ずしも明らかにされてこなかった。 そこで、日本人英語学習者が、英語シャドーイング・英語リピーティングを遂行している間に、各種言語処理タスク(例:1. 日本語訳妥当性判断課題、2. 文法性判断課題、3. 語用論判断課題)を課すことで、各種言語処理段階(例:意味・統語・語用論)に学習者の注意が向くように操作すると、シャドーイング・リピーティングにおける英語文節音の音声知覚がいかに影響を受けるのか、35名の日本人英語学習者を対象に実験を行った。 研究の主な結果としては、 (1)シャドーイングよりもリピーティング時の音声再生率が低いこと、(2)英語習熟度の高い学習者は、低い学習者よりもシャドーイングやリピーティング時の音声再生率・言語処理タスクの正解率が高いこと、(3)文法性判断課題の正解率が他の言語処理タスクの正解率よりも低いこと、(4)文法的な側面に注意を向けながらシャドーイングやリピーティングを行うと、他の言語的側面に注意を向けた時よりも音声再生率が下がることが明らかになった。日本人英語学習者にとって、統語処理が他の処理段階(例:意味・語用論)よりも認知負荷の高いものであり、文節音の音声知覚にも影響を与えていることが示唆された。
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Research Products
(6 results)