2019 Fiscal Year Annual Research Report
Creating guidelines for developing learners' intercultural competence through English education in Japan
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16K02935
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
栗原 文子 中央大学, 商学部, 教授 (60318920)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 相互文化能力 / 異文化間能力 / 相互文化ディスクリプタ / アンケート調査 / 英語教育 / 異文化理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、異文化間能力の指標のガイドラインの策定のための、Can-do形式の相互文化ディスクリプタの検証と実践例の収集を中心に行った。また、中・高の教員を対象としたアンケート調査を分析し、現職教員が異文化間能力の態度・知識・技能のそれぞれの分野におけるディスクリプタ(各分野10項目ずつ、計30項目)に対して、英語の授業で扱うことへの認識について検証した。その結果、態度>知識>技能の順で、ディスクリプタの重要度に関する平均値に有意差が見られた。これは、高校の学習指導要領に英語科の目標として、「言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成」が定められており、態度の育成の重要性については、高校の教員に広く認識されていることであると考察した。知識は、技能よりも平均値は高かったものの、項目によっては低い平均値のディスクリプタもあり、英語教育と結び付けて教えることが特に困難だと認識された項目や、そもそも教えることの必要性自体に疑問が呈された項目があることも分かった。さらに、技能については、ほとんどの項目の平均値が低い傾向にあり、課題が大きいことが分かった。また、教員間の差が大きく、それは経験年数とは相関関係がないことが分かった。
また、『「教師の自己評価」で英語授業は変わる』(大修館書店)が出版され、第4章「異文化間能力を育む」を担当した。これは、高校の教員の協力を得て、実際にいくつかの異文化間能力に関するディスクリプタを用いて、異文化理解の授業や特別活動の振り返りによる実践報告である。異文化間能力のディスクリプタは、高校の先生方にとって、授業と結びつけて教えるための実践例やアイディアが必ずしも豊富ではなく、ディスリプタを活用する上で、より具体的な支援が必要であることがわかった。
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Research Products
(3 results)