2016 Fiscal Year Research-status Report
海外留学における第二言語動機づけの変化:複雑系理論を用いたナラティブ・アプローチ
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16K02939
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
新多 了 名古屋学院大学, 外国語学部, 准教授 (00445933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 今日子 金城学院大学, 文学部, 准教授 (30454333)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナラティブ / 複雑系理論 / 動機づけ / 海外留学 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外留学経験は学習者の第二言語能力の向上だけでなく、第二言語に対する動機づけにも大きな影響を与えると考えられている。近年、複雑系理論の視点から第二言語動機づけは様々な要因と相互作用し変化し続けるものと捉えられるようになってきたが、これまではほとんどが教室内で行われた研究であり、海外留学環境における動機づけの変化については調査されていない。本研究では留学期間中に日本人英語学習者の動機づけがどのように変化するのか、また学習者のどのような内的要因および外的環境要因が動機づけの変化に影響を与えるか、ナラティブアプローチを用いて検証する。 本研究では、研究代表者所属大学において長期(10ヶ月)または中期(5ヶ月)の海外留学を経験する約30名の学生に対して、毎月留学経験の振り返りレポートを作成してもらう。また、参加者の中から約20名の学生に留学出発前と帰国後にインタビューを行う。 初年度である平成28年度は研究参加に同意した留学予定の日本人大学生30名(長期留学者10名、中期留学者20名)に対して研究に関する説明を行い、約1時間の留学前インタビューを実施した。インタビューでは大学入学後の動機づけの変化やこれまでの学習経験、留学に対する期待などについて詳しく質問した。 また、留学中は毎月留学先の授業内外の経験、学習者自身による学習や授業外活動に対する自己評価、自分自身の動機づけの状態などについて、毎月末にWord文書1-2ページ程度で作成、Eメールで研究代表者に送付してもらった。すでに採取したインタビューおよび振り返りデータは逐次書き起こしを行い、分析を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者を、研究責任者の担当授業受講生から集めることで、容易に十分な数の参加者を集めることができた。また、採取したデータの書き起こしを外部専門業者に依頼することで、効率的に分析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究参加の大学生が海外留学を終了後に2回目のインタビューを実施する。1回目のインタビューの分析を終えることで、2回目のインタビューでは焦点を絞った質問をすることができる。2回のインタビューの分析結果を比較することで、参加者の英語に対する動機づけが留学経験を通じてどのように変化したか検証を行う。また、分析結果を国内学会、国際学会(英国応用言語学会年次大会を予定)において発表を行い、国際学術誌への論文投稿の準備を行う。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた海外学会発表を取りやめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度または次年度に、本研究結果に基づく発表を国際学会で行う予定である。
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