2017 Fiscal Year Research-status Report
学童期からの英語スピーキング能力の発達に関する統合的研究-脳内文法基盤を中心に
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16K02959
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
尾島 司郎 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (40404959)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英語スピーキング / 英語学習経験 / スピーキング評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は3年間の研究期間のうち2年目である。この研究では、日本人の英語スピーキング能力に関連する要因を明らかにするため、特に英語学習開始年齢や文法的能力などが、どのように英語スピーキングに影響しているのか調べる。初年度には、幅広い年代に適用できる英語スピーキング評価方法を探り、日本人大学生に適用した。また、子どもの参加者を募るため、保護者とのネットワーク作りを進めた。これらを土台とし、2年目には子どもから英語スピーキングデータを得た。参加した子どもは、日本に住む未就学児から中学生までである。日本人の子どもにしては驚くほど高い英語スピーキング能力を持つ子どもを、保護者ネットワークを使って集めた。子どもの中で最も興味深いのは、両親ともに英語が出来ないが子どもは英語が出来るケースである。そうでない子ども(親のいずれかが英語が出来て、家庭で子どもに英語で話しかけているケース)も研究には参加してもらったが、分析段階では分ける予定である。参加した子ども達には、大学生で試してきた英語スピーキングデータ取得方法を適用した。この方法だと、おおむね、未就学児では上手くいかず、小学生2年生以上になると問題なくデータが取れるようであった。未就学児の場合、英語力の問題で課題がこなせないというより、記憶やストーリー理解(題材は無声映画)などの一般的認知能力の発達が十分でないことが推察された。今後は取得したデータに詳細な言語学的分析を加えるとともに、保護者ネットワークを拡充し、新たなデータの取得を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもの研究参加者を集めるための保護者ネットワークの構築が前年度にスムーズに行ったため、それを利用したデータ取得が順調に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
取得したデータを言語学的に詳しく分析する。分析のダブルチェックを進める。大学生・子どもともに、被験者数を増やす。
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Causes of Carryover |
理由:旅費、人件費・謝金を低く抑えられたため 使用計画:今後の実験の人件費、研究補助者の謝金、研究環境の整備、図書購入、旅費などに使用する。
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